2023 Fiscal Year Annual Research Report
A longitudinal seroprevalence survey of SARS-CoV-2 infection among health care workers and children
Project/Area Number |
21K17271
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
齊藤 信夫 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (60626018)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 新型コロナウイルス感染症 / 血清疫学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
地方における医療・介護従事者・小児の新型コロナウイルス侵淫状況を定期的に把握することで、感染対策に寄与することが本研究の目的である。医療・介護従事者の調査に関しては、長崎県の複数の医療施設において、医療・介護従事者を対象に実施中であった。しかし、調査対象の医療法人で新型コロナウイルスによる院内感染のアウトブレイクが複数機関に発生した。このことにより、相手機関側の人手不足により、医療従事者から研究用の採血実施が困難となり、2022年度の医療従事者の抗体調査は中止とした。その代わりとして、医療施設でのアウトブレイクを詳細に調査し、採取した検体からRNAを抽出し、ゲノム解析(WGS)を実施している。施設内での二次伝播がどのような因子によって起こるのかを解析を行っている。 大分で実施した小児における血清疫学研究の結果をまとめ、論文報告した。(J Infect Chemother. 2024;30(2):169-171. )本研究では、2007年1月から2022年3月の間に、COVID-19感染が疑われない小児患者を対象に、SARS-CoV-2 IgGの陽性率に関する横断調査である。パンデミック前及び第1波から第4波(従来株、アルファ株)で陽性症例は見られなかったが、第5波(デルタ株)で661例中4例が陽性であり、第6波(オミクロン株)373例中16例が陽性であった。第5波では、1歳から4歳の子供たちの間でIgGの陽性率は1.3%、第6波では、1歳未満の子供で4.0%、1歳から4歳で2.4%、5歳から9歳で5.3%、10歳から14歳で5.2%、15歳から18歳で10%であった。病院を他疾患で受診する小児における血清抗体保有率を明らかにすることができた。
|