2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫学的手法を用いたアスピリンによる大腸がん予防の機序解明
Project/Area Number |
21K17273
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
中尾 俊雅 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器移植センター, 専門修練医 (30829320)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガン予防 / Minマウス / FAPマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで大腸がん予防研究において、炎症などのプロモーター作用を制御する方法の研究が行われてきたが、免疫学的なアプローチによるがんの制御の研究はほとんど行われてこなかった。申請者の所属するグループにおいても、散発性大腸ポリープのみならず大腸発がんリスクの高い遺伝性疾患である家族性大腸腺腫症(FAP)に対してアスピリンが発がん制御に有効であることを臨床介入試験で示してきたが、アスピリンの免疫機能に対する作用は明らかにできていない。FAPのモデルマウスである Minマウスにおいて腸ポリープ部に制御性T細胞(regulatory T cells: Treg)や骨髄由来免疫抑制細胞(Myeloid-derived suppressor cell: MDSCs)が遊走しており、これら免疫細胞が腸ポリープ発生に重要な働きをした可能性が示めされている 。 Minマウスの実験としては、脾腫の測定を実施終了した。Minマウス及びC57BL/6マウスの脾臓細胞及び腸管在住のリンパ球を、アスピリン投与前後で単離後に、フローサイトメトリーでリンパ球を測定し、免疫抑制細胞の同定を進めている。Minマウスの脾臓摘出し、ポリープ産生数の変化を観察しており、データの蓄積を開始している。 FAP患者のデータとしては脾腫のデータは解析終了しており、今後ポリープの免疫抑制細胞同定の実験を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Minマウスの実験としては、脾腫の測定を実施終了した。Minマウス及びC57BL/6マウスの脾臓細胞及び腸管在住のリンパ球を、アスピリン投与前後で単離後に、フローサイトメトリーでリンパ球を測定し、免疫抑制細胞の同定を進めている。Minマウスの脾臓摘出し、ポリープ産生数の変化を観察しており、データの蓄積を開始している。 FAP患者のデータとしては脾腫のデータは解析終了しており、今後ポリープの免疫抑制細胞同定の実験を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の実験としては、現在のデータを元に、単離した免疫抑制細胞を、MinマウスにAdaptive transferする実験、免疫抑制細胞阻害剤(anti-Gr1など)をMinマウスに投与する実験、FAP患者のデータとしては脾腫のデータは解析終了しており、今後ポリープの免疫抑制細胞同定の実験を予定している。 また可能であればFAP患者のPBMCから免疫抑制細胞の同定実験を計画する。
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Causes of Carryover |
今年度実施した実験が、関連する他の科研費から購入した物品で実施可能であった。またデータ解析のみで終了する実験もあったため。
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