2022 Fiscal Year Annual Research Report
Integration of genomics and metabolomics for prevention of menopausal disorders
Project/Area Number |
21K17275
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
飯田 美穂 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70594505)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 更年期障害 / メタボロミクス / 女性医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
中高年女性に好発する更年期障害は、女性自身のQOL低下のみならず多大な労働損失を通じた社会的影響を与えていることが明らかになりつつある。一方、更年期障害に関する医学的知見は未だ十分とは言えず、効果的な社会対策をとるための医学的知見を蓄積していくことが求められている。 本研究では、更年期障害が遺伝と環境の両者が組み合わさることで発症するという仮説のもと、その客観的指標を疫学的に解明し,更年期障害の予防や早期介入を検討する際の有益な医学的知見を得ることを目的に、地域在住者コホート研究のデータを用いて検討を開始した。まず基礎的知見として、更年期障害発症の好発時期である閉経前後にかけて、遺伝要因と環境要因の双方を反映した最も表現型に近いメタボロームの生体内変化を明らかにした。その結果、多くの代謝物の血中濃度が50歳前後で急激に変化し、代謝物の加齢性変化が閉経による影響を受けている可能性が示唆された。また、定量した94物質中17の物質が、年齢と独立して、閉経前から閉経後にかけて徐々に上昇し、これらの物質の濃度上昇は, 閉経後に増加する疾患リスクの機序を反映している可能性が示唆された。次に、更年期障害あり群・なし群のメタボロームプロファイルの違いを検討した。その結果、94物質の血中濃度データを用いることで、一定の精度で更年期障害の有無が判別可能であることが確認された。一方、各物質については2群間で有意な差を認めなかった。サンプル数が小さく、計画していた遺伝子多型情報との組み合わせも含め、更年期障害に関連する遺伝的要因ならびに早期発見に有用なバイオマーカーの同定は困難であった。一方、更年期障害の発症要因に関する検討において、生活習慣や心理社会的因子の関与も確認され、更年期障害の予防や早期介入を包括的に行っていくことの重要性が示された。今後、更に追跡調査を継続しデータを蓄積する予定である。
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Research Products
(4 results)