2021 Fiscal Year Research-status Report
Association between long working hours and physical and mental health: elucidating mechanism using wearable devices
Project/Area Number |
21K17299
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
日野 亜弥子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (10805310)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 過重労働 / 精神的健康 / ウエアラブル端末 / 生理指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
長時間労働は社会問題となっているにもかかわらず,長時間労働と精神的健康との関連は一貫した知見が得られていない。また,長時間労働が身体的・精神的健康へ影響を与えるメカニズムについても解明されていない。本研究は,労働者を対象に縦断的に調査を実施し,ウエアラブル端末を用いて,労働時間と心身の健康状態をリアルタイムで客観的に評価する。さらに,健康診断を活用して動脈硬化に関連する生体試料を収集して,長時間労働が労働者の心身の健康に影響を与えるメカニズムを明らかにすることを目的としている。 研究初年度である令和3年度は,PubMedや医中誌を用いた文献レビューを行い,既存のデータベースを用いて新型コロナウイルス流行下(コロナ禍)の長時間労働と精神的健康との関連についての解析を行った。その結果,長時間労働と精神的健康との関連は,感染症対策のうち体調不良時の出社基準の有無で,その関連が異なっていることが明らかになった。体調不良時の出社基準のない職場では,長時間労働と精神的健康との関連がより強かった。時間外労働を削減することに加えて,体調不良時の出社基準を設定することは,コロナ禍のメンタルヘルス対策として重要であることが示された。本知見は,国内外の学会にて発表を行い,英文誌へも公表した。 並行して,ウエアラブル端末を用いた調査を行うための準備を実施した。調査で使用するウエアラブル端末の選定を行うにあたり,複数の端末について,端末を製造・販売している業者から,その性能や使い勝手についてヒアリングを実施した。さらに,調査実施企業を募り,複数の企業の責任者・産業保健スタッフに対し,研究内容の説明を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は,既存データを用いた予備的な解析を行い,その結果を国内外の学会や英文誌に公表することができた。しかし,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,事業場内への訪問が制限されたことから,調査対象企業の選定に遅れが生じ,ウエアラブル端末を用いたデータ収集を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度も引き続き,新型コロナウイルス感染症の流行状況が落ち着いているタイミングを狙い,調査対象企業選定のための交渉を行っていく。同時に,ウエアラブル端末の選定,調査票の作成を行い,調査対象企業が決まり次第速やかにデータ収集が遂行できるように,産業医科大学倫理委員会へ提出するための資料作成を行う。令和4年度は,まず初めに少人数を対象とした予備調査を行い,調査実施上の課題を抽出し,その対策を検討した後,対象者数を増やした本調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行により調査の実施が遅れているため,調査にかかる費用を次年度へ繰り越した。未使用の研究費は,調査で使用するウエアラブル端末の購入費,端末から取得したデータの解析ソフト購入費の他,学会発表にかかる旅費,論文執筆にかかる英文校正費や論文掲載料等に使用する予定である。
|
Research Products
(9 results)