2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K17307
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
木下 諒 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (50896090)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | COVID-19 / 麻疹 / 風疹 / 血清疫学調査 / 集団免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、麻疹や風疹等のワクチン予防可能疾患について、ワクチン由来の獲得免疫が時系列で失活するリスクを定量化し、失活を原因とした感受性人口の補充による再流行リスクを明らかにすることである。追加ワクチン接種政策を提案することで持続可能な集団免疫の達成と維持を目標とする。以下の3 つの研究課題を立て、ワクチン由来獲得免疫の減衰がワクチン予防可能疾患の再流行に与える影響を網羅的に検討する。 (1) 新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチン由来免疫失活に伴う再接種時期の検討 (2) 血清疫学データを用いた麻疹および風疹のワクチン由来免疫失活の定量化 (3) 麻疹および風疹の免疫失活による集団レベルでの再流行リスクの解明 初年度はCOVID-19の流行状況を考慮して、特に(1)について検討を行った。まず、COVID-19ワクチン導入後における感染防御効果に関する研究の文献調査を実施した。これまでにIgG抗体と感染防御効果の相関を示す研究はあるが、感染防御に必要な抗体価の閾値に関するコンセンサスはできておらず、抗体陽性割合による集団免疫の評価が難しい可能性がある。当初予定していた研究計画を柔軟に変更しながら、ワクチン効果に関する観察研究の推計値を用いたモデル化も検討する。また、国内の血清疫学調査に携わりながらCOVID-19に関して集団免疫の達成を目標にすることが可能かを含めて再検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画段階において、COVID-19ワクチンは開発中であり、ワクチンによる感染予防効果や抗体価との相関に関して不明点が多く、また変異株による免疫逃避の性質により集団免疫の評価がより複雑化した。また、2021年度に所属機関の変更や、新型コロナウイルスの流行対応に関する研究業務も実施したため、計画通りに研究遂行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19に関する研究に関しては、集団免疫が達成可能か否か、引き続き模索するとともに、国内の血清疫学調査に携わりながら研究デザインを再検討する。麻疹及び風疹の研究に関しても、血清疫学データの収集とモデルの定式化を実施予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Phenomenological and mechanistic models for predicting early transmission data of COVID-192021
Author(s)
Miyama T, Jung SM, Hayashi K, Anzai A, Kinoshita R, Kobayashi T, Linton NM, Suzuki A, Yang Y, Yuan B, Kayano T, Akhmetzhanov AR, Nishiura H.
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Journal Title
Mathematical Biosciences and Engineering
Volume: 19
Pages: 2043~2055
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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