2023 Fiscal Year Research-status Report
SSIサーベイランス、薬剤感受性と医療費を統合した耐性菌と患者予後の関連の研究
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21K17309
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
繁本 憲文 広島大学, トランスレーショナルリサーチセンター, 准教授 (80723204)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SSIサーベイランス / 薬剤感受性 / DPC |
Outline of Annual Research Achievements |
手術部位感染症(SSI)は一定の確率で発症しうる合併症であり、特に大腸手術は腹腔内という清潔環境の中で内部に大量の腸内細菌をもつ大腸の操作を行うため、薬剤耐性腸内細菌目細菌の影響を特に受けやすい。患者から検出された薬剤耐性菌が手術部位感染症に及ぼす影響を理解するため、3種類(DPC情報、検出菌の全薬剤感受性サーベイランス(JANIS)データ、手術部位感染症のサーベイランス (JANIS))のビッグデータを統合解析し、(A)大腸手術が行われ、手術部位感染症を起こした患者について、原因菌として予防抗菌薬への耐性を示す菌がどのくらい増加しているのか、(B)薬剤耐性菌が手術部位感染症による入院期間延 長や生存率にどのような影響を与えるか、手術部位感染症を起こした患者について、診療の過程で薬剤感受性が判明するまでに行われた経験的治療の内容によって、予後がどれだけ改善・悪化するのか(C)薬剤耐性菌が薬剤感受性菌と比較し、どれだけ医療費を余分に必要とするかを解明する。3年目は広島大学病院における過去5年間のビッグデータのうち、SSIの発生とDPCデータを紐づけた解析を行い、第36回外科感染症学会学術集会にて発表した。今後解析を進めるとともに、今後は県内の複数の病院のビッグデータを収集して計画を進めて いく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020~22年当時の新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、業務負担が増大したことに加えて、他病院のデータ収集が困難であった。2023年度になり、当初想定しえなかった私事都合が増大した。
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Strategy for Future Research Activity |
ビッグデータを結合して単施設での解析を先行し、逐次県内の他の病院のデータを収集して計画を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会出張もなかったこと、発表すべき研究成果も少なかったことから支出がまだ少ない。2024年度は関連病院へ足繁く通って研究を進めるとともに、学会での成果発表を少なくとも2回行う。
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