2023 Fiscal Year Research-status Report
対側リスク低減乳房切除術を受けた遺伝性乳癌卵巣癌症候群女性のQOL調査
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21K17312
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
犬塚 真由子 昭和大学, 医学部, 特別研究生 (40750617)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | QOL / 遺伝性乳癌卵巣癌 / リスク低減切除術 |
Outline of Annual Research Achievements |
対側リスク低減乳房切除術(Contralateral risk-reducing mastectomy;CRRM)は、乳癌患者が、対側乳癌の発症リスクを低減させるため、癌発症前に乳房を切除する対策である。 CRRMは、乳癌リスクの低減、生存率の改善という治療効果が期待できる一方で、精神的健康における変化、パートナーとの性的関係の変化、ボディ・イメージの変容、女性らしさの感覚の欠如、など患者のQOLに影響を与える可能性がある。CRRMを受けない場合においても、造影乳房MRI検査を行うことにより早期乳癌発見の可能性を高めることが可能と考えられるため、CRRMを行うかどうかは、患者がそのリスクとベネフィットを十分に検討したうえで、患者の意思によって決定されることが重要である。海外諸国においては、このCRRMによるQOLへの影響について複数の調査が行われてきているが、わが国では定量的に評価された報告はまだない。 本研究は、CRRMを検討する乳癌患者を対象としてCRRMによるQOLへの影響を明らかにすることを目的としている。わが国の患者において、こうした予防医療によるQOLへの影響を明らかにすることは、今後の本邦の医療保険の在り方を検討する上で非常に重要な知見となると考えられる。当該年度は、本研究の実施のため、研究対象者への研究説明と同意取得を進めた。現在までに33名から同意を得ており、研究参加者は質問紙への回答を行っている。初回の質問紙回答後、手術実施日から半年後に最終回の質問紙への回答を依頼しており、現在のところ、研究同意取得者のうち22名から全ての質問紙への回答が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙は、比較的高い返却率を保って回収を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集の流れ自体には特段の問題なく進めることが出来ているため、引き続き、研究対象者のリクルートを継続する。
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Causes of Carryover |
研究成果を発表した国際学会が日本開催であったため、想定より旅費の使用が少なくなった。データの蓄積が進んできていることから、次年度新たに国際学会での発表を計画している。
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