2023 Fiscal Year Research-status Report
育児中の母親の心理的柔軟性が月経周期による症状と否定的な養育行動に及ぼす影響
Project/Area Number |
21K17314
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
岡島 純子 立教大学, 現代心理学部, 特任准教授 (70809425)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 心理的柔軟性 / 育児 / 月経周期 / 母親 / 養育行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、2021~2022年度に育児中の親における心理的柔軟性を測定する日本語版尺度の標準化を行い、The Japanese version of Parental Acceptance and Action Questionnaire (PAAQ-J)の信頼と妥当性を検討した。 この結果をうけ、2023~2024年度での研究計画では、開発されたPAAQ-Jを用いて,育児中の母親の心理的柔軟性を測定し,月経前不快気分障害(PMDD)とうつ、不安、ポジティブな養育、およびネガティブな養育の関連の強さに、心理的柔軟性が影響を与える(心理的柔軟性が調整変数となる)かどうか検討することであった。Web調査実施を終え、現在、解析が完了して、論文投稿の準備を行っている。結果は、不安とPositive Parentingにおいて,他の変数を統制してもPMDDとPAAQの交互作用において有意な説明力があり調整変数となることがわかった。特に、Positive Parenting においては、PAAQが良好な場合は、PMDDが悪くてもPositive Parentingは高い一方で,PAAQが悪い場合はPMDDが高いとPositive Parentingが低いことがわかった。調整効果は確認されなかったものの、うつや不安に関しても、PAAQが単独で影響を与えていることがわかった。2024年度中に投稿する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、おおむね順調に進展している。上記記載の通り、2023~2024年度の期間で、開発されたPAAQ-Jを用いて,育児中の母親の心理的柔軟性を測定し,月経周期による症状が「心理的柔軟性」を媒介して否定的な養育行動に影響を与えているかどうかについて検討を行っており、Web調査実施完了、解析完了して、論文投稿の準備を行っているため、2024年度中に投稿する。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度中に論文を投稿し、2025年のACTアプリの効果検証の準備を行う。アプリに関しては、NECソリューションイノベータに作成してもらう予定である。 2025年度の予定は、ACTアプリの効果検証を行うことである。育児中の母親で育児にストレスを感じていると回答した 40 名程度にプログラムを提供する。プログラム内容は,1日15分程で行えるACTによるエクササイズやメタファーを取り入れたものである。3ヶ月間毎日,1日を振り返りながら,セルフモニタリングを行う内容とする。
|
Causes of Carryover |
適正かつ経済的な執行に努めた結果、次年度使用額が生じた。これについては、アプリ作成費に使用する予定である。
|