2021 Fiscal Year Research-status Report
低骨格筋量と高体幹脂肪量は無症候性を含む椎体骨折リスクを高めるか―10年追跡研究
Project/Area Number |
21K17315
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
津田 晃司 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20883507)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域コホート研究 / 椎体骨折 / 骨格筋量 / 体幹脂肪量 |
Outline of Annual Research Achievements |
椎体骨折は脆弱性骨折のうち最頻で、一度発生するとさらなる椎体骨折リスクの上昇を招き、多発性の椎体骨折は円背や腰痛を生じ、日常生活活動障害と死亡のリスクを上昇させる。しかし、椎体骨折のうち受診に至る症候性は1/3にすぎない。加齢による椎体骨折リスク上昇に先立ち、若年期から骨格筋量は低下し、閉経期以降内臓脂肪が増加する。近年、低骨格筋量や高内臓脂肪量が脆弱性骨折リスクを高めることが報告された。地域在住女性を対象とした骨粗鬆症領域で本邦最長の疫学研究 JPOS研究では、15年次追跡以降、DXA法による骨密度と体組成、筋力、骨折の状況等を幅広く把握済みである。これに25年次追跡調査を実施し、X線画像を用いた形態計測による椎体骨折発生を把握できれば、骨格筋量および体幹脂肪量の向こう10年間の無症候性を含めた椎体骨折リスクに対する影響を評価できる。 本研究では50歳以上の地域在住日本人女性における①骨格筋量の向こう10年間の椎体骨折リスクに対する影響、ならびに②体幹脂肪量の向こう10年間の椎体骨折リスクに対する影響を評価する。本研究の成果は無症候性を含む椎体骨折の正確な予測因子の特定を推進するエビデンスとなり、椎体骨折ハイリスク者の同定と効率的な予防策立案に資すると考える。 本研究は日本の地域在住女性のコホート研究であるJPOS研究を本体研究とするものである。JPOS研究にて地域住民を対象とした調査を令和3年度に実施予定だったが、COVID-19感染拡大のため令和4年度に延期となった。そのためデータを取得できなかった。令和4年度に、調査実施の許可が得られた市町村で調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地域住民を対象とした調査を令和3年度に実施予定だったが、COVID-19感染拡大のため令和4年度に延期となった。そのためデータを取得できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
【令和4年度】調査実施の可否について対象市町村との協議を継続し、許可が得られた市町村で追跡25年次調査を行い、椎体X線画像を取得する。 【令和5年度】単一エネルギーX線吸収法で取得した椎体画像から椎体変形を判定し、二重エネルギーX線吸収法で取得した椎体画像から骨格筋量と体幹脂肪量を算出する。ベースラインを追跡15年次として、①骨格筋量の向こう10年間の椎体骨折リスクに対する影響、ならびに②体幹脂肪量の向こう10年間の椎体骨折リスクに対する影響を検討する。
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Causes of Carryover |
令和3年度の調査で当助成金を使用予定だったが、COVID-19感染拡大のため調査が中止となり令和3年度に当助成金を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。令和4年度の調査にかかる費用を当助成金から支出する。
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