2021 Fiscal Year Research-status Report
Influence of urban greenness and grayness on childhood allergic symptoms and diseases
Project/Area Number |
21K17316
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
蓮沼 英樹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40891263)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Greenness / Grayness / 小児 / アレルギー / 出生コホート / 大気汚染 / 正規化植生指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
先進国を中心にアレルギー疾患が増加傾向であるが、生活環境の変化や大気汚染による影響が指摘されている一方、居住地周辺の緑化度(Greenness)/灰化度(Grayness)によって免疫機能向上/低下の可能性が示唆されている。本研究では、大気汚染物質によるアレルギー疾患発症へのGreenness/Grayness による修飾効果を疫学的に評価し、小児アレルギー疾患の予防策としてGreenness/Graynessの寄与を解明することを目的とする。 (1) 我が国で実用的なGreenness/Graynessの評価指標を、正規化植生指標(NDVI)と国土数値情報の土地利用細分メッシュのGISデータを用いて欧米諸国の先行研究を参考にして開発した。 (2) 小児アレルギー疾患発症へのGreenness/Graynessによる影響の検討は、兵庫県尼崎市で実施している出生コホート研究「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の参加者のうち、曝露評価とアウトカム評価が可能な4,709人を対象として、ジオコーディングを行い追跡期間中(2011年1月1日~2021年3月31日)の居住地周辺のGreenness/Graynessの曝露評価を実施した。 (3) 妊娠時、出生時、1歳時、2歳時、3歳時の5群間のGreenness /Grayness の中央値に差があるか、Kruskal-Wallis検定を行った結果、Greennessでは統計的に有意な差がみられた。児の年齢が上がるほどGreenness の中央値は高くなっていたことから、Greennessの高い地域に転居する傾向があったと考えられた。Graynessでは有意な差は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Greenness/Graynessの評価指標を開発し、対象者の曝露評価まで完了した。当初の計画通り、小児アレルギー疾患発症との関連解析に着手できていることから、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに検討したGreenness/Graynessの評価指標を用いて、2022年度は居住地周辺のGrayness/Graynessと小児アレルギー疾患発症との関連について解析する予定である。
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Causes of Carryover |
ジオコーディングを当初の計画よりも安価な方法で行ったことにより、必要経費を節減することができた。次年度は、小児アレルギー疾患発症との関連解析を行う予定であり、未使用金額は解析や論文執筆に係る経費に充てる予定である。
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