2021 Fiscal Year Research-status Report
院内感染の要因となる清拭タオルの新たな衛生管理方法の確立
Project/Area Number |
21K17339
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
金坂 伊須萌 東邦大学, 看護学部, 助教 (50758183)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 細菌 / セレウス菌 / 医療関連感染 / 衛生管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療施設において使用される清拭用タオルが、どのような過程を経てセレウス菌により汚染されるのかを実験的に明らかにし、清拭タオルの細菌汚染を原因とする院内感染対策を目的とした、適切な清拭タオルの除菌方法を確立することを目指す。 これまでに、清拭用タオルがセレウス菌により汚染されることは報告されていたが、汚染される過程を実験的に明らかにした報告は無い。また、新品のタオルと比較し使い古しのタオルでは細菌が繁殖し易い状態であることが予想されるが、細菌汚染の状態に違いがあるかどうかについて実験的に検証した研究報告は見つからない。本研究で得られたセレウス菌による清拭タオルの汚染過程の実態と清拭タオルの科学的根拠に基づいた除菌方法は、清拭タオルを使用した看護ケアの安全性ならびに患者ケアの満足度向上につながると予想される。 本年度は、医療施設において清拭用タオルとして使用されているA社のタオルを選定し、一定期間(4、6、8ヶ月間)洗濯を繰り返した使用済みタオルの作製を実施した。それらの使用済みタオルの培養を実施した結果、96試料のうち36試料からセレウス菌が検出された。使用期間におけるセレウス菌検出率は、6ヶ月で79%と最も高かった。長期間にわたり洗濯を繰り返したタオルでは、繊維が劣化しており、皮脂等の汚れが定着することによって、セレウス菌を含む細菌が定着し易い状態である可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度において、洗濯を繰り返した使用済みタオルの作製が終了し、それらの試料から目的菌の検出および同定検査を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、実験的にセレウス菌を清拭タオルに接種し、各種条件下における汚染状況を明らかにし、汚染プロセスを探索する。
|