2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Physiological Diversity of Hand Bathing under Different Conditions
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21K17340
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
中野 元 城西国際大学, 看護学部, 助教 (60829547)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 手浴 / 自律神経系 / 中枢神経系 / 脳血行動態 / 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である令和3年度は,実験環境を構築しデータ収集を開始した. まず,恒温槽を準備し微温湯(38℃)および高温湯(42℃)で2時間以上湯温が安定していることを確認した.さらに,予備実験として実際にそれらの温度で10分間浸水し人体への不利益がないことを確認した.これにより,本実験の安全性を再確認できたといえる. 手浴の湯温や浸水時間が異なることで被験者の主観的な影響は異なることが明らかになっている.そこで,自律神経系のバランスを調整により良い条件を明らかにすることは非常に重要である.効果的な手浴の温度,浸水時間が明らかになれば臨床応用が可能であると期待される.そのため本研究では手浴の湯温および浸水時間の違いによる生理学的効果を明らかにすることを目的し2021年度研究を実施した.具体的には11名の対象者からデータを収集することができた.その結果,以下の2点の手浴の温度に差による効果の可能性が示された.1点目は,暗算負荷として4桁の整数から2桁の整数を引き算し交感神経活動を賦活した状態で手浴を行った.その結果,手浴は自律神経の測定結果から交感神経優位のストレス下において42℃の熱めの湯温で行うよりも,39℃の微温湯で行う方が交感神経指標であるLF/HFは優位な低下を示しリラックス効果を得られやすい可能性が示唆された.2点目は,安静閉眼により副交感神経系を賦活した状態で手浴を行った.その結果,副交感神経優位のリラックスしている状態において,手浴は39℃の微温湯で行うよりも42℃の熱めの湯で行う方が,交感神経指標であるLF/HFは優位な上昇を示し覚醒効果を得られる可能性があることが示唆された. 更に脳血行動態の記録を同時に実施した.未だ統計解析は行っていないが39℃,42℃どちらの温度でも左前頭前野の脳血行動態が上昇している傾向が得られている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である令和3年度は,データ収集を開始できており自律神経系など一部のデータでは手浴による効果を示しており概ね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,予定している症例数までの追加のデータ収集及び記録した脳血行動態のデータ解析を重点に行う.また,関連情報の収集のため,看護技術,自律神経等に関連した種々の学会等に参加する予定である.
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Causes of Carryover |
消耗品の劣化等が生じる可能性があり,次年度データ収集等に使用する消耗品購入に充てる予定である.
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