2021 Fiscal Year Research-status Report
看護現場を支える多様な人材を活かすリーダーシップのあり方を探る
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21K17345
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 美樹 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40389713)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リーダーシップ / 看護師 / 多様性 / ダイバーシティ / 看護管理者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問いは,看護の現場における多様な人材の能力や特性を活かすリーダーシップのあり方とはどのようなものか,である。 2021年度は,文献を検討し既知の知識について確認した。多様なスタッフ看護師の能力や特性を活かすには看護管理者のどのような関わりが必要なのか,また,どのようなことが求められ準備しておく必要があるのかを“多様性”と“リーダーシップ”のキーワードをもとに文献を調べた。その結果,メンバーの所属感を高め独自性に価値があるとするインクルーシブ・リーダーシップの重要性が言われており,心理的安全性もたらすこと,組織コミットメントや創造性などを高める効果が報告されていた。しかし,看護の領域において,インクルーシブ・リーダーシップに関する先行研究は少なく,広く一般的に使用されている測定スケールはなかった。また,国によって認識される「人材の多様性」は異なり,日本の看護の領域において,研究数は少ないが,多様な働き方を「人材の多様性」ととらえた研究が行われていた。少子高齢社会において労働力を確保するために,外国人労働者や高齢者の再雇用などによって,年齢,職務経験,働き方,教育背景,価値観といった人材(働き手)の特性が多様化している。日本における,「人材の多様性」とは何かについて明確にしたうえで、研究を進める必要がある。 多様な人材のなかでも,スタッフ看護師が心理的にエンパワーされ動機づけられる必要がある。そのため,今年度は,既存の尺度“看護師長によるスタッフ看護師へのエンパワリング行動尺度”の短縮版作成に取り組み,学術雑誌へ論文を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査を行う対象病院のリクルートを検討する予定であったが,実施できなかった。新型コロナウィルス感染症の流行に伴い,医療の現場は多忙を極めており,連絡をとることが困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
質的・量的調査を行うことによって,現在の看護の現場における①意識・認識している人材の多様性,②多様性による課題や有効性の有無とその内容,③多様性を活かし,支える看護師長のリーダーシップのあり方を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
2021年度に調査対象病院のリクルートを検討する予定であった。しかし,新型コロナウィルス感染症の流行に伴い実施できなかったため,これらに使用する費用を次年度使用額にした。対象病院のリクルートを2022年度に実施し,量的・質的調査をすすめる。
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