2022 Fiscal Year Research-status Report
看護現場を支える多様な人材を活かすリーダーシップのあり方を探る
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21K17345
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 美樹 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40389713)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リーダーシップ / 看護師 / 多様性 / ダイバーシティ / 看護管理者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問いは、看護の現場における多様な人材の能力や特性を活かすリーダーシップのあり方とはどのようなものか、である。多様な背景をもつスタッフ看護師を尊重し、受け入れるダイバーシティ風土と、そうした風土に影響をもたらす看護師長のリーダーシップとの関係、また、これら組織風土とリーダーシップによるスタッフ看護師への影響を明らかにしていくために、横断的研究を実施予定である。 2022年度は、調査実施に向けて、使用するリーダーシップの測定用具を検討した。そこで、多様なメンバーで構成されるチームにおいて心理的安全性を生み出すリーダーの3要素、“受け入れ態勢”、“対応能力”、“アクセスのしやすさ”に着目しアメリカで開発されたインクルーシブ・リーダーシップ項目の日本語訳を完成させた。また、既存の量的データを用いて、スタッフ看護師が心理的にエンパワーされ動機づけられる看護師長の行動を測定する尺度“看護師長によるスタッフ看護師へのエンパワリング行動尺度”の短縮版作成に取り組み、信頼性と妥当性を検証した。当該結果については学術集会で発表し、論文が国際誌に掲載された。現在さらに、個人レベルと病棟レベルの看護師長によるスタッフ看護師へのエンパワリング行動が看護師長とスタッフ看護師の二者の関係の質を介して、組織へのコミットメントを高めるかについて分析し、看護師長によるスタッフ看護師へのエンパワリング行動がもたらす影響を明らかにすることに取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査に使用する測定用具の検討に時間を要したため、研究の倫理審査申請の準備が遅れている。また、対象病院へのリクルートが実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
看護の現場おけるダイバーシティ風土、このような風土に影響をもたらす看護師長のリーダーシップ、また、これらによるスタッフ看護師への影響について明らかにするために、調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックによる医療機関への影響を考慮し、調査対象病院のリクルートが実施できなかったため、リクルート活動に使用する費用を次年度に使用することになった。2023年度は、調査を実施予定であるので、対象病院のリクルートをすすめる。
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