2021 Fiscal Year Research-status Report
筋肉内注射技術「伸ばす」「つまむ」に関する基礎的研究
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21K17350
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
青井 聡美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (10321217)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋肉内注射 / つまむ / 伸ばす / 三角筋 / 中殿筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋肉内注射は、穿刺する部位・体型により、注射針の刺入する角度と深さが異なるため、手技に関するエビデンスが確立しにくい基礎看護技術である。また、注射部位が不適切であれば神経損傷を起こすリスクは大きい。注射針を刺入する時の手技として、主に「つまむ」「伸ばす」の2パターンある。基礎看護技術のテキストを比べてみると、①筋肉をつまむことで筋層の太さ、厚さを判断できる。②注射部位の皮膚を注射器でもたないほうの手で引っ張るように伸展させる。伸展させる根拠として皮下脂肪を薄くすることで筋肉内に注射針が到達しやすくなる。③消毒部位に触れないように注射部位を片手で押さえて固定し、刺入するなどである。このように注射針の刺入時の手技に関してはテキストによりばらつきがあり、科学的な裏付けが記載されたテキストは少ない。さらに、新型コロナウィルス感染症におけるワクチン注射では、テキストで明示された部位とは異なる部位への筋肉内注射が推奨されるようになった。そのため、注射針の刺入時のエビデンスを明確し、安全で確実な看護援助を提供することが重要となる。 本研究は、注射針刺入時の三角筋部位と中殿筋部位を「つまむ」と「伸展する」2通りの手技を用い表皮から筋膜、筋厚までの距離と皮膚の弾力度を計測し、安全で確実な筋肉内注射の手技を確立する。2021年~2022年にかけてデータ収集を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、感染対策の環境を整えることができず進んでいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大の影響により、実験環境を整えることが困難であったことと本研究課題にエフォートを割くことができず進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、注射針刺入時の三角筋部位と中殿筋部位の表皮から筋膜までの距離と筋厚、皮膚の弾力度を計測する。対象者は、協力の得られる18歳以上の男女とし、コロナ感染症対策の環境が整った段階で早めに募集を行い研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度、必要な測定器具の選定を行い購入することができたが、新型コロナウイルス感染拡大によりデータ収集ができなかった。そのため、研究協力者への謝金とデータ収集にかかる人件費の計上がなかった。2022年度は、研究協力者への謝礼品、データー収集時に必要な消耗品等に経費を使用する。
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