2021 Fiscal Year Research-status Report
「報告・相談」技術向上を目指した、看護学生向けSBARツールプログラムの開発
Project/Area Number |
21K17353
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大崎 千恵子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (80771568)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 報告・相談 / 躊躇 / 看護学生 / SBAR / 新人看護職員 / 教育訓練プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護学生向けSBARツールを組み込んだ臨地実習での教育訓練プログラムを開発・実施し、卒後にわたる「報告・相談」技術への効果を明らかにすることである。2021年度は事前調査の段階として、報告・相談場面における新人看護職員の躊躇の実態を調査し、本調査に向けた準備を行った。また、その成果を学会にて発表した。本調査は計5回のアンケート調査を予定しており、すでに第1回および第2回は実施を完了した。 1.事前調査 大学病院2施設(A病院、B病院)に所属する新人看護職96名および、同プリセプター看護師96名を対象にアンケート調査を行った。実施は入職3か月後および11か月後の2回であり、全体および個人別で比較した。その結果、新人看護職員は、入職後11カ月の段階でも、報告・相談に躊躇していることが明らかとなった。とくに一部の新人看護職員では、患者に関する報告・相談のみでなく、自分自身の心配事や困りごとの報告・相談でさえ躊躇し続けているという共通点があることが分かった。躊躇の場面は、報告・相談する相手の状況、つまり受け手によるものと、報告・相談のスキルなど送り手である自分の要因が存在した。このような躊躇に対しては、新人看護職員のスキル訓練とともに、受け手である先輩看護職員などへの教育の必要性が示唆された。 2.本調査 看護系大学に所属する大学4年生100名を対象にSBARに関する講義および演習を実施し、さらに病院実習においてSBARチェックリストを用いた実践訓練を行った。その前後でアンケート調査を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた事前調査が完了し、本調査に移行している。コロナ禍の影響で臨床での集合研修が中止となったことから、アンケート用紙の配布および回収方法に一部修正が発生したものの、おおむね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本調査を継続するにあたって、対象5施設の施設長(病院長)の承認は得ているが、今後は実際に調査を開始する段階として各施設の看護部長に詳細を説明して協力を得る。 研究計画では、調査用紙の配布を対面での集合研修の場を活用して行う予定であるが、コロナ禍の影響から集合研修が中止となる可能性もある。その場合は、各看護部長から看護管理者を経由して個別に配布し、投函方式での回収に変更するなどが必要である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、参加予定の学会がオンデマンド開催に変更となったために旅費の支出がなかった。また同様に、会議はオンラインに変更したため、会議室借用費用の支出がなかった。2022年度は現地開催の学会に参加予定である。 2022年度は本調査の対象者が追加となるため、謝金は2022年度に金額を持ち越しが必要となる。
|