2022 Fiscal Year Research-status Report
悪性脳腫瘍患者に対する看護師主導の多職種連携型ACP支援モデルの開発
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21K17357
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近田 藍 京都大学, 医学研究科, 助教 (10883647)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アドバンス・ケア・プランニング / 原発性悪性脳腫瘍 / 意思決定支援 / 多職種連携 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
15名の遺族へインタビュー調査を実施した原発性悪性脳腫瘍患者の意思決定とアドバンス・ケア・プランニングにおける代理意思決定者としての経験を通じた遺族のニーズと選好に関する質的研究では、家族は患者の急速な悪化に圧倒されながらも、原発性悪性脳腫瘍患者の意思決定への関与をコントロールしつつ、医療者の支援を受けながら患者にとって最善の方法を模索する役割を果たすことが切実に求められていることが明らかになった。原発性悪性脳腫瘍患者の自律性を尊重し、同時に家族のニーズにも応える意思決定支援の鍵は、原発性悪性脳腫瘍患者の意思を実践に反映させることである。医療者が早い段階でACPの議論を導入する機会を設けることで、患者や家族の情報提供や意思決定への関与のニーズが満たされることになることが示唆された。また、21名の原発性悪性脳腫瘍患者の意思決定を支援する医療専門職(医師、看護師、セラピスト、MSW)へインタビュー調査を実施しACPの実態および課題に関する質的調査では、日常の臨床現場で患者の意向や価値観を把握するために各職種が工夫している繊細な実践内容および早期にコミュニケーション困難となる原発性悪性脳腫瘍患者特有のアプローチの難しさや多職種連携の難しさといった課題に関する重要な知見を得た。上記の遺族と医療専門職を対象とした質的研究の研究成果および、これまでの研究成果(患者を対象とした病いの体験に関する質的調査、遺族を対象としたEOLDに関する量的調査、日本の推奨しうるACPの在り方に関するシステマティックレビュー調査)、関連文献のレビュー結果、専門家からの意見を統合し、原発性悪性脳腫瘍患者に対する看護師主導の多職種連携型ACP支援モデルの作成をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原発性悪性脳腫瘍患者に対する看護師主導の多職種連携型ACP支援モデルの作成の前段階の質的調査の分析に慎重をきたし、計画通りに分析および論文の投稿が完了せず、プログラムの作成が遅れた。現在、プログラムの実践現場で実装可能か検討するためにfeasibility studyを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
原発性悪性脳腫瘍患者に対する看護師主導の多職種連携型ACP支援モデルの介入プログラムを確定させる。作成した介入プログラムが実践現場で実装可能か検討するために介入プログラムのfeasibility studyを計画し実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行により、各方面への学会や会議の参加が困難となり、旅費を予定よりも使用しなかったため。また、現在までの達成度に記載したが、研究計画の 遅延のため。遅延した研究計画を当初の予定通り遂行するために執行する予定である。
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Research Products
(2 results)