非アルコール性脂肪肝疾患（NAFLD）患者の生活改善を促す教材開発と検証

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K17359
• Research Institution: Saga University
• Principal Investigator: 柴山 薫 佐賀大学, 医学部, 助教 (70881431)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD） / 患者教育 / 教材

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）患者の学習ニーズに基づいた教材の開発と評価を行うことである。
令和3年度は，NAFLD患者の現状把握と課題を明確にするため，文献検討を行った。近年NAFLD患者に対する食事療法・運動療法の有用性が示されている一方で，医療者からのサポート不足や患者の疾患に対する認識不足，患者の治療への関心の欠如などから，NAFLD患者が食事療法・運動療法に取り組めていない現状が明らかになった。そのため，NAFLD患者が治療に関心を持ち，患者が生活に合わせた食事療法・運動療法を取り入れることができるように，医療者からの教育支援を充実させることが必要であると考えた。そこで，アプローチする点を整理するため，NAFLDの診断を受け，食事療法・運動療法に継続的に取り組みNAFLDが改善した患者を対象として，実施した内容，知識，継続要因を明確にするためのインタビュー調査を計画した。当初の研究計画では，自記式質問紙による実態調査を予定していたため，研究計画を修正した。
インタビュー調査は，研究者の所属施設の倫理委員会の承認を得た。研究協力施設の研究協力者に研究概要の説明を行い，対象者の選定・調整を依頼し，現時点で2施設において5名のNAFLD患者に，インタビューガイドを用いた半構成的面接による調査を実施した。インタビューの実施とともに，分析を開始している段階である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の研究計画を修正し，インタビュー調査としたことから，研究計画書の作成や研究協力施設との調整，対象者の選定に時間を要した。また，研究対象者である食事療法・運動療法を継続しNAFLDが改善している患者の数が少ないことから，対象者の確保に苦慮している。加えて，患者を対象とした研究のため，新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を十分に考慮しながら進めており，予定人数の半数までのインタビューで留まっているため，現在の進捗状況を「やや遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度も引き続き，新型コロナウイルス感染症に対する感染対策に留意しながら、インタビュー調査を実施し，分析を進めていく予定である。令和4年度に予定していた教材の開発は，インタビュー調査の分析が終了後，その内容を反映させた上で作成を行う予定である。

Causes of Carryover

〈理由〉当初の研究計画と変更したこと，インタビュー調査は予定人数の半数であることから，計上した予算額と実施支出額に差が生じた。
〈使用計画〉令和4年度は，インタビュー調査を継続する予定であり，調査にかかる謝金や逐語録作成費が必要である。また，得られたデータの入力や解析，データ管理，教材開発に用いるPCやソフトウェア，デバイス，必要な消耗品の補充を行う。研究の成果は，本研究課題に関連深い学会等で公表する予定であり，旅費及び学会参加費が必要である。