2022 Fiscal Year Research-status Report
子育て世代の乳がん患者の家族健康支援の構築-家族の相互作用とセリフケア機能の検討
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21K17382
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大城 怜 兵庫医科大学, 看護学部, 助教 (20898043)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳がん / 家族看護 / 心的外傷後成長 / PTG / 子育て世代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、①乳がんに対する家族のセルフケア機能、および家族全体のPTG(心的外傷後成長)の経験を明らかにする、②乳がんによる患者、配偶者、子どもの心理的変化に関して、三者間の影響を明らかにする、を中心に2022年度は研究を実施した。 本研究が着目するPTGについて、より日本人に合い、負担を最小限にした上で測定できる信頼性と妥当性のある尺度の開発論文を作成し、英文雑誌へ投稿中である。今後、日本人のPTGを測定する上で有効な尺度になり得ると考える。 乳がんによる家族の影響の中でも子どもへの影響を検討するために、質的データを用いて、母親の乳がん罹患にともなう子どもの困難について分析し、和雑誌へ論文が採択された。この論文によって、親ががんに罹患した思春期の子どもの具体的な困難について、医療従事者が把握し、子どもへの支援向上につながると考える。 母親の乳がん罹患にともなう子どものPTGについて、国際学会でポスター発表を行った。これまで詳細に明らかになっていなかった子どものPTGの実態を公表でき、医療従事者によるPTGの理解につながると考える。 子育て世代の女性がん患者とその家族(配偶者・子ども)への質問紙調査について、所属機関の倫理審査委員会にて承認され、調査を実施した。2023年3月で調査を終了した。今後二者間、三者間など様々な分析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行に伴い、がん患者やその家族の心理的健康に大きな影響があると考え、研究計画の再検討を行った。しかしながら、倫理審査の承認から質問紙調査までを実施したため、おおむね順調だと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査が終了したため、今後は統計解析ソフト(SPSS、AMOS)を用いて、がん患者とその家族の心理的健康、PTGおよびその関連要因や、それらの家族間の関連を検討し、その結果を専門誌での論文掲載および学会発表により成果発表する予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙調査において当初の計画よりも参加者が少なく、謝礼による支出が少なかったこと、また、コロナの影響により学会への参加や現地での出席が少なかったため、次年度使用額が生じたと考える。 使用計画としては、論文投稿に関連した校正費、投稿料、学会への参加費など成果公表を中心に予定している。
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Research Products
(3 results)