2021 Fiscal Year Research-status Report
医療的ケア児の母親の生活調整が進んでいくために父親が行うサポート過程
Project/Area Number |
21K17388
|
Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
中北 裕子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (00515835)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 医療的ケア児 / 父親 / 母親 / サポート過程 / 生活調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療的ケア児の母親の生活調整が進んでいくために父親が行うサポート過程を明らかにすることを目的に実施した。 近年の文献から、医療的ケア児及びその家族に関わる状況を捉えることを実施した。医療の発達により、医療的ケア児が在宅療養生活を行うケースが年々増えている。主介護者は母親である場合が多く、地域での生活における母親への支援の充実が課題となっている。母親の支援者として、保健、医療、福祉、教育等の多職種が挙げられるが、医療的ケア児の母親の身近な存在である児の父親の存在が注目されている。 医療的ケア児の父親を対象とした対面での面接調査に備え、オンラインにて、父親の生活状況及び、家族生活の中での父親の担っている役割について情報収集を実施した。 医療的ケア児の父親たちは、自分の社会生活と医療的ケア児を中心とした在宅生活とのバランスを取りながら、父親の役割を果たそうとしていることが把握できた。医療的ケア児の入院の付き添いを父親が担うケースが増えつつあり、母親はきょうだい児の育児を担うことも明らかになった。父親は自分ができる役割を担うことに抵抗は持ち合わせていないとしつつも、社会生活で求められる役割と児の療育支援の役割のバランスを取ろうとし、ジレンマが生じていることも示唆された。 これらの結果から、既に明らかにした医療的ケア児の母親の生活調整が進んでいくために、父親が医療的ケア児との生活の中でどのような思考の元、暮らしているのかを明らかにしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全国的な新型コロナ感染症の拡大があり、感染予防のため医療的ケア児の父親からのインタビューの調査が進まず、面接調査は実施できていない。しかし、関係機関を通じて、研究協力者の紹介は得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
医療的ケア児の父親への対面でのインタビュー調査の実施に向けて調整を行う。その際、感染症予防に十分な配慮を心掛ける。
|
Causes of Carryover |
医療的ケア児の父親に対して、対面でのインタビューを計画していたが、全国的な新型コロナ感染症の拡大に付随し、感染予防を理由としてインタビュー調査の実施が不可能であったため。
|