2021 Fiscal Year Research-status Report
若年者のアクセシビリティを高める効果的な性の健康支援のあり方に関する研究
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21K17392
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
藏本 直子 金城学院大学, 看護学部, 准教授 (40377677)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妊娠不安 / 性の問題 / 性の健康支援 / 若年者 / ICTツール |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代育成は、少子社会である我が国の最重要課題である。近年、若年者の予期しない妊娠による人工妊娠中絶や、若年出産を背景とする子ども虐待が深刻になっている。さらにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に起因した性犯罪に巻き込まれるケースも増加しており、性に関する健康支援の重要性が増している。妊娠相談は多くの自治体で実施されているが、若年者の抱える背景やニーズに合わせた効果的な支援が行われているか十分検証されていない。また SNS等の多様なコミュニケーション方法を活用した具体的な支援方法は明らかにされていない。そこで、本研究は、若年者の予期しない妊娠や性に関する問題・不安に対する適切な支援システムを構築するために、若年者のアクセシビリティを高める相談支援方法を検討するとともに、若年者のニーズに合わせたICTツール(SNSやメール等)活用による効果的な性の健康支援のあり方を明らかにすることを目的とする。 具体的には、第1段階として、若年者の性行動や性の問題に対するニーズやアクセシビリティを明らかにし、若年者のアクセシビリティを高める相談支援方法を検討する。次に、第2段階として、妊娠相談所におけるICT活用状況と多様なコミュニケーション方法による支援の実態を調査する。第3段階として、ICTを活用した各相談における具体的な支援方法及び内容、留意点を質的に明らかにし、若年者のニーズに合わせたICTツール活用による効果的な性の健康支援のあり方を検討する。 2021年度の計画は、若年者の性行動及び性の問題に関する全国調査を行うために、調査準備として文献検討を行い、調査票を作成し、インターネット調査に向けてリサーチ会社の検討を行った。また、所属大学の倫理審査委員会の審査を受け、2022年3月に承認を得た。引き続き、調査実施に向けて計画を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、第1段階の計画を遂行するため、調査準備として先行研究より文献検討を行い、研究計画を見直した。そして、調査票を作成し、インターネット調査に向けてリサーチ会社の選定を行った。調査準備が倫理審査委員会の開催時期に間に合わず、審査を受けるまでに時間を要したが、2022年3月に承認を得た。倫理審査承認後は速やかに調査実施する予定であり、概ね順調に計画を履行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度初めに全国調査を実施し、調査結果を集計し分析を行う。また、その結果から得られた知見を日本母性衛生学会や関連学会で発表する。さらに、第2段階の妊娠相談所におけるICT活用状況と多様なコミュニケーション方法による支援の実態を明らかにするため、文献レビューを実施した上で、調査項目を精選し、質問紙調査の実施に向けて準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
倫理審査までに時間を要したことから、全国調査のために計上していた費用を次年度に繰り越すことになった。2022年度初めに調査実施するため、使用する予定である。
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