2022 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症に対する馬介在療法プロトコールの開発に向けて
Project/Area Number |
21K17394
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Research Institution | Naragakuen University |
Principal Investigator |
中田 修 奈良学園大学, 保健医療学部, 助教 (20880991)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 馬介在療法 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要 自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder, 以下ASD)は「社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な欠陥」と「行動、興味、活動の限定された反復的な様式」を特徴とする。感覚入力や知覚処理が適切に行われないとそれに対する反応が非適応的となったり感情コントロールが不良となり、それらが生理的なストレスや自律神経機能不全を誘発し、対人関係に影響を及ぼし心理的な問題や社会適応の問題を引き起こすとされる。 ASD者に対する動物を介在した治療的介入に関しては、実施できる施設が限られることもあり報告自体が少なく、それらも主観的なスケールのみを用いていたり、サンプルサイズが小さいなど問題が指摘されている。 本研究ではASD者に対する馬介在療法(以下Hippotherapy)の効果に関して、主観的な客観的な指標として「POMSⅡ日本語版」を用いてストレスのチェックを行うことに加えて、「唾液αアミラーゼ活性によるストレスの評価」「指尖容積脈波法による自律神経機能の評価」を実施することで、Hippotherapyの定量評価を試みる。現在、我々が予備的に行ったPOMSⅡを用いた評価結果から、ASD者に対するHippotherapyの効果が一定程度認められている。また現下の感染症による在宅生活の長期化を余儀なくされる中で、ASD者やその介護者のストレスは益々高くなっていることが予測され、Hippotherapyの効果が確認され、その方法が確立されることが望まれていると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID19の感染状況が昨年度は高止まりしていたばかりでなく、令和3年度と異なり子どもを中心とした感染の拡大がみられたため、本研究に協力してくださっていた対象児やその家族に次々と感染が広がったため、継続的なデータ収集が困難な状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在約10名でデータ収集が進行中あるいは終了している。今後は感染状況が落ち着くことが予想されるため、その場合を想定し研究協力者である事業所の責任者とも打ち合わせを繰り返しながら、最大あと20名分のデータ収集が可能ではないかと考えている。またデータ収集と平行して分析作業に着手し、研究の効率化を図る。ただし、予定よりも大幅に遅れているため、研究機関に関しては延長の可能性も視野に入れている。
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Causes of Carryover |
引き続き感染症の拡大期が続いていたため、対象者の研究参加困難や学会への参加が困難な状況が続いたため。本年度は、研究協力者との段取りも終了し、何名かの対象者に対して研究が再開済みであり、また国際学会と国内学会に出席する予定でもある。
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