2023 Fiscal Year Research-status Report
重度認知症者用のQoL尺度開発と関連要因の縦断的検討
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21K17409
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Research Institution | Naragakuen University |
Principal Investigator |
永田 優馬 奈良学園大学, 保健医療学部, 助教 (90832824)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症 / 重度認知症 / QoL / BPSD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,重症度特異的なQuality of Life (QoL) 評価尺度を用い, 関連する因子を同定しケア・リハビリテーション戦略の立案の一助となることを目的とする。重度認知症者のQoLにとってBPSDは重要な因子と指摘されている。これまでの先行研究により、QoLの改善を目的とする際、BPSDの改善が重要な要因であることが明らかとなった。BPSDに影響する要因の一つとして、休息活動リズム(RAR)の乱れが及ぼす影響については不明確なままである。本研究では、中等度および重度の認知症患者において、RARとBPSDとの間に関連があるかどうかを明らかにすることを目的とした。対象者は64名であった。RAR解析をアクチグラフを用いて実施した。BPSDはNeuropsychiatric Inventory-Nursing Home (NPI-NH)スケールを用いて評価した。RAR、睡眠時間、BPSDの相関を分析した。RARおよび睡眠時間とBPSDとの関連を検討するために、ステップワイズ重回帰分析を実施した。相関分析の結果、最大活動時間が長く、日中の睡眠時間が短いほど、NPI-NHスコアが高いことが示された。ステップワイズ重回帰分析では、人口統計学的変数で調整した後、最大活動時間がNPI-NHスコアを予測することが示された。以上より、RARは、中等度から重度の認知症におけるBPSDと関連していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年から流行しているCOVID-19の影響により、研究活動の自粛要請や、研究協力施設における外部者の立ち入り禁止および対面での調査の実施、対象者家族からの同意が制限されていることなどにより、臨床データを新たに取得することが困難となり、既存計画よりも遅れが生じている。しかし、過去に取得したデータを活用し分析を行うことで、 重度認知症者のQoLに関わる要因の分析を実施でき、成果は一定の進捗を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19が影響し、当初予定していた計画に大幅な遅れが生じる可能性がある。そのため、既存のデータベースを活用しながら重度認知症のQoLに関わる要因の検討を実施、研究方法の再検討や、予定対象者数の見直し、分析手法の変更、新たな協力施設などを検討し、こうした事態に対応しながら検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況を踏まえ、今後の予定に変更が生じたため。
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