2021 Fiscal Year Research-status Report
ハームリダクションを基盤とした独居高齢者に対する節酒支援モデルの開発と検証
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21K17411
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古野 貴臣 佐賀大学, 医学部, 助教 (90775363)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 独居高齢者 / アルコール関連問題 / ハームリダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
モニター型インターネットに登録し、飲酒習慣がある独居高齢者を対象にアンケート調査を行った。社会的孤立尺度であるLSNS-6、飲酒量を評価できるAUDIT、自尊感情尺度、抑うつを評価できるGDS-15を用いて統計解析を行った。その結果、飲酒習慣がある独居高齢者の抑うつには、社会的孤立、多量飲酒、自尊感情の低下が関連していることが示された。あわせて、飲酒に伴って生じる問題や困ったことに関しても自由記述の回答を求めたが、ほとんどの対象者が「特になし」と返答しており、飲酒に伴う問題が実際に生じていない、もしくはそれに気づいていない可能性が示された。 また、無作為に抽出した地域包括支援センター1000施設で勤務する看護職を対象に、「アルコール関連問題を抱える独居高齢者に対する支援の実際と課題」に関して、自由記述で回答を求めた。現在データ入力中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハームリダクションを基盤とした独居高齢者に対する節酒支援モデルを開発するにあたり、独居高齢者の飲酒が健康に与える影響への示唆や、地域包括支援センターが認識する問題や支援の実際に関するデータ収集を終えることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査を基盤とし、独居高齢者に対する節酒支援に関して定量化できる項目の設定を試みる。併せてハームリダクションに関する概念分析を行い、この観点を踏まえた尺度原案の作成を行う。
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Causes of Carryover |
おおむね予定通り調査は実施できているが、コロナ禍で飲酒問題が多い東京など、対面によるインタビュー調査が実施できておらず、研究目的達成に向けて一部計画の変更を行っている。
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