2022 Fiscal Year Annual Research Report
新しい生活様式に適した地域在住自立高齢者のためのアセスメントおよび介入方法の開発
Project/Area Number |
21K17412
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
黒澤 千尋 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (10738884)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / COVID-19 / ロコモティブシンドローム / 基本チェックリスト / Timed Up and Go test / 方向転換 / 遠心加速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題①「外出自粛下でも自立生活や身体機能を維持できたwell-being高齢者の特徴を明らかにする」を達成するため,過去に実施した地域在住自立高齢者の身体機能測定会(2019年度から2021年度)の測定結果を分析した。ロコモ度の経過から,全体の対象者を低下群,維持群に分けて分析した。その結果,コロナ禍による活動自粛中も,維持群・低下群ともに外出頻度および運動頻度は変わらず維持しており,認知機能,抑うつ気分も急激に悪化することなく維持できていた。しかし,低下群では,2020・2021年度で運動機能低下や閉じこもりの傾向が継続し,2021年度は日常生活関連動作への影響が示唆された。さらに,維持群と比較し低下群では,身体的QOLの低下がみられ,心理的側面の不調やQOLの低下もきたしていた。一方,維持群では,運動機能低下や閉じこもりの傾向はみられず,低下群と比較し身体的QOLが高かったことから,心身機能ともに大きな影響を受けなかったと推測された。研究課題②「高齢者自身で確認することが可能なアセスメント指標の開発」を達成するため,高齢者自身で確認することが可能なアセスメント指標として,モバイル端末を用いた動作計測アプリを開発した。開発したアプリにより計測された遠心加速度は,運動パフォーマンスを評価する指標となり得る可能性が示唆された。研究課題③「モバイル端末を用いた非接触型介入を実践する」を達成するため,開発した動作計測アプリを用いて,地域在住自立高齢者の動作計測を行った。計測課題はTimed Up and Go test(以下,TUGテスト)とし,フレイルの調査も合わせて実施した。TUGテストの所要時間ではフレイル群とロバスト群とで有意な差を認めなかったが,遠心加速度は有意な差を認めたことから,高齢者において遠心加速度は運動機能低下の指標となり得る可能性が考えられた。
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