2021 Fiscal Year Research-status Report
重い精神障害をもつ人のリカバリーを支援する精神科訪問看護教育プログラムの効果検証
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21K17416
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
天野 敏江 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 准教授 (00787955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 重い精神障害 / 教育プログラム / 精神科訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は先行研究において作成した、「統合失調症をもち、症状対処が困難な人のリカバリーを支援するための知識と技術を身に着けること」を目的とした教育プログラムにおいて、認知行動療法の協同関係を用いた支援方法の教授効果が示唆された一方、 学んだ技法をうまく活用できない場合もあることが明らかとなった。そのためこの課題をアップデートした教育プログラムを開発することが、研究の第一段階であった。 まず、先行研究における質的分析結果を、教育プログラムの課題に焦点をあてて再度分析を行い、教育プログラムで焦点を当てるべき内容について検討を行った。その結果、重い精神障害をもつ利用者が、幻覚妄想にとらわれ看護師の話を聞く余裕が無い、幻覚妄想により周囲に影響を及ぼす行動を起こしかねない状況での介入に困難を感じていた。教育プログラムの改善としては、幻覚妄想に対する支援の方法をより丁寧に教授し、ディスカッションを取り入れたプログラムに修正を行った。 次に、教育プログラムの実施方法を検討するために、学習内容を実践に活かすための効果的方法について文献レビューを実施した。その結果、反復練習や、研修と実践の連動が有効であるいう結果となった。一方、教育プログラムの対象者の多くがフルタイムで勤務する看護師であり、勤務外で受講する研修における実施時間や日数を考えた場合、反復練習や研修と実践の連動には限界もあると考えた。 また、新型コロナウイルスが収束せず、研修会の実施方法を再検討する必要があり、オンラインでの実施に向けてグループワークの方法、質問紙の配布と回答方法や、研修会資料の配布など実施方法とその体制について、現在研究計画の修正を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、先行研究と同様に対面での実施を予定しており、全国主要都市5カ所において、2クールずつ計10クール開催する予定であった。しかしながら新型コロナウイルスが収束せず、研修会の実施方法を再検討する必要があり、オンラインでの実施に向けて、グループワークの方法、質問紙の配布と回答方法や、研修会資料の配布など実施方法とその体制について、現在計画の修正を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の検討課題として、バージョンアップした教育プログラムを完成させる。学習内容を効果的に実践に活かすためには、研修と実践の連動が必要である。1回目と2回目の間隔を1週間から2週間に伸ばし、1回目の研修内容を実践に活用した後、2回目の研修を実施する方法を検討する。開催のスケジュールは、2022年8月から2023年8月までに10クールのオンライン研修会を予定しており、研究対象者の募集を行っていく。オンラインでの実施にあたり、質問紙の回答と回収が確実に行えるような体制を作ることが課題である。グーグルフォームの回答とすれば、郵送の手間がかからず対象者の手間を省くことができ、回収率が向上すると考えられる。研修会終了後1か月後の回答もあるため、回答時期にメールを送って周知し、回答率を上げていく。オンライン研修のため、対象者がトラブルなく受講できるようなネット環境が整っていることが条件となる。研修会の開催前に、事前にネット環境のチェックを行う等して、対象者が不安なく研究に参加できる準備を整える。
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Causes of Carryover |
今年度、研修会の開催に向けた研究参加者の募集ができておらず、募集の経費がかかっていない。そのため、その経費は次年度に持ち越すこととなる。
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Research Products
(2 results)