2023 Fiscal Year Annual Research Report
重い精神障害をもつ人のリカバリーを支援する精神科訪問看護教育プログラムの効果検証
Project/Area Number |
21K17416
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
天野 敏江 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 准教授 (00787955)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 重い精神障害 / 教育プログラム / 精神科訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は5月に5回目の研究協力依頼を500施設に送付し、4月~10月にかけて計5クールの研修プログラムを開催し調査を行った。 最終的に研修プログラムを8クール開催し、ランダム割付を行った参加者数は45名(介入23、対照22)、割付後除外は4名(介入2、対照2)であり、解析人数は41名(介入21、対照20)であった。参加者は平均看護師経験年数21.4年(SD=10.1)、平均精神科訪問看護経験年数6.2年(SD=5.2)であり、群間の有意差は無かった。介入前と後及び介入1か月後の3時点の各スケール得点を解析した結果、介入群はRecovery Knowledge Inventory(RKI)(χ2=24.2(2),p<.001)、ストレングス志向の支援態度評価尺度の自信度(χ2=14.8(2),p=.001)、実施度(χ2=6.1(2),p=.048)、認知療法認識尺度(χ2=9.2(2),p=.010)のいずれの得点も有意差があった。RKIのプログラム前-後の効果量はr=.84、プログラム前-1か月後はr=.76でいずれも効果量は大きく、他2つの尺度も効果量は中から大であった。対照群に有意差は無かった。精神科訪問看護場面における支援実施程度調査は、調査した項目全てにおいてプログラム前よりも実施頻度が上昇した。 以上の分析の結果より、本プログラムは精神科訪問看護において、重い精神障害をもつ人のリカバリーの支援の知識と技術獲得に一定の効果があることが示唆された。支援実施程度調査の各項目においてプログラム前より1か月後に実施頻度が上昇し、技術の活用に一定の効果があることが示唆された。リカバリーを軸に各単元を展開したこと、セッション間隔を2週間とり実践とプログラムを連動したこと、幻覚妄想の対処に対する支援方法を充実させたことが、プログラムの効果につながったと考える。
|
-
-
[Presentation] 集団認知行動療法実践者養成プログラムの開発2023
Author(s)
藤澤大介 , 岡田佳詠 , 天野敏江 , 根本友見 , 中島美鈴 , 大嶋伸雄 , 高橋章郎 , 岡島美朗 , 田村法子 , 吉永尚紀 , 丹野義彦
Organizer
第23回日本認知療法・認知行動療法学会
-