2021 Fiscal Year Research-status Report
コロナ禍におけるテレワーク労働者に対する新たな健康管理の手法に関する検討
Project/Area Number |
21K17417
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
森田 理江 関西医科大学, 看護学部, 講師 (70828095)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テレワーク / COVID-19 / 健康管理 / 労働生産性 / プレゼンティーイズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年の働き方改革関連法の施行により、政府は柔軟な働き方による労働力確保を目指すとともに、「健康経営」による労働生産性の向上を目指し、持続的な経済成長を図ろうとしている。労働環境が大きくシフトする最中、2020年にCOVID-19の世界的流行が起こり、国内の企業ではテレワークの推進が一気に加速した。テレワークはそのハード面やソフト面での整備が十分整わないまま導入がすすめられ、労働時間と働き方、食事や睡眠などの生活習慣を含めた労働者への様々な影響が懸念されており、健康管理の在り方そのものを見直す必要がある。 本研究では、第一にテレワークを行う労働者の生活習慣と労働時間、労働時間帯の変化とそれに伴う健康問題を明らかにすることを目的にしており、調査項目の精選を進めているところである。予備テストとして、定期的にテレワークを行っている労働者へのインタビューを行い、調査項目および健康状態の変化について聞き取りを行っている。テレワークでは生活リズムの乱れが指摘されており、それらに起因する健康問題が労働の質、いわゆる労働生産性に影響を及ぼす可能性が指摘されている。テレワークによる労働は時間管理と健康管理の自己管理能力が問われる働き方であり、本研究では、労働者のテレワークによる生活習慣や労働時間の変化と、それらが労働生産性に与える影響を明らかにし、テレワークのための健康管理の手法を検討する一助を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、国内でテレワークを実施する幅広い企業の労働者を対象としたWebアンケート結果の分析を主軸にしている。予備調査として、継続的にテレワークを行っている労働者に対する半構造化面接によるインタビューをすすめ、Webアンケート項目の完成を目指していた。5名の労働者の回答結果を収集予定であったが、予定していた対象者とのスケジュール調整が業務の都合により滞り、回答が十分得られておらず、Webアンケートの原案の完成までに時間を要している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
Webアンケートの原案作成のため、予定していたインタビュー対象者数を5名から3名へ変更することを検討している。また、Webアンケート原案は量的研究に習熟した研究者(教員)と内容について十分に検討する。最終的にWebアンケート原案は、テレワークを実施している労働者10名に予備調査として回答を依頼し、その際に得た感想や意見に基づき、原案を修正して最終版とする。このアンケート項目は研究結果を左右するため、慎重に進めたい。本調査であるWebアンケートは、ロボット型検索エンジンである調査会社による質問紙調査のため、調査開始からデータの受領までは1週間以内で完了するものであり、現時点での研究の遅れは取り戻せると考える。
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Causes of Carryover |
本年度は、Webアンケートの委託を延期したため、次年度はこの委託費用に充てる予定である。
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