2023 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期から始める乳児の傷害予防:SNS・地域資源ハイブリッド型プログラムの開発
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21K17422
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 千可子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80845751)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 傷害予防 / 妊婦 / 母子保健事業 / プログラム開発 / モバイルアプリケーション / 乳児 / プッシュ型サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
自治体の既存の子育て支援アプリを活用し、妊娠期からアウトリーチ型で傷害予防情報を住民に届けることができる教育プログラムの開発を進めた。具体的には、プッシュ型配信サービスを含む子育て支援アプリケーションの導入を採用している自治体および企業の協力を得て、アプリのプッシュ通知を活用して、妊娠週数に応じて配信される、乳児の傷害予防ショート動画を作成した。コンテンツは、既に開発済みの対面型プログラムの内容をベースに、生後4か月頃までに防ぎたい事故(窒息、転落、火傷、誤飲)について、1本あたり1~2分程度のショート動画を計6本作成した。 アプリ登録者のうち妊娠26週になった者に対し、プッシュ通知またはメールを送信して研究参加についてのリクルートを行った。同意した参加者は、交互割付に基づき介入群と対照群(動画内容を含むリーフレットを動画と同じタイミングで6回配信)に自動的にランダム化され、妊娠後期に約2週間ごとに教材が配信された。評価項目は、傷害予防行動を実施する意図と知識(妊娠36週)、予防行動の実施状況(産後2か月)、事故の発生状況(産後1年)とし、出産予定日から計算された該当日に自動的にアンケートが送信された。11月末からプッシュ通知によるリクルートを開始している。2022年度に実施されたニーズ調査については、論文が発表されたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動画教材の作成と、子育てアプリによるプッシュ型サービスを利用した教材配信のしくみを自治体とアプリ開発企業の協力のもと整えることができ、RCTを開始することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
自治体での実施を継続し、目標サンプル数のデータ収集を続ける。参加数が想定より少なく推移しているため、リクルート方法を再検討する。一定数の参加があったところで、評価項目について分析を行い、中間評価を行う。2025年度からは、COVID-19の感染拡大によって中止になっていた対面型教育が、フィールドである自治体で再開されるため、対面+プッシュ型プログラムによるハイブリッド教育が開始される予定である。
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Causes of Carryover |
動画作成費およびプッシュ配信システム開発費とそれに伴う人件費を抑制できたため。
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