2022 Fiscal Year Research-status Report
「せん妄ケア実践能力自己評価尺度‐外科系病棟所属の勤務帯リーダー用‐」の開発
Project/Area Number |
21K17430
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
松田 謙一 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (70852664)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | せん妄ケア実践能力 / 勤務帯リーダー看護師 / 高齢入院患者 / 外科系病棟 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外科系病棟に所属する勤務帯リーダー看護師のせん妄ケア実践能力を客観的に測定できる「せん妄ケア実践能力自己評価尺度」を開発することである。本研究の目的達成にむけた手順は、1.尺度原案の作成、2.パイロットスタディによる尺度原案の精選、3.尺度の信頼性・妥当性の検討の3つからなる。 2022年度は、手順「1.尺度原案の作成」におけるアイテムプール(案)を検討することを目的に質問紙調査を実施した。質問紙調査では、外科系病棟に所属する勤務帯リーダー看護師、外科系病棟の看護管理者、専門看護師・認定看護師を対象に、外科系病棟に所属する勤務帯リーダー看護師のせん妄ケア実践能力について自由記載方式で尋ねた。分析では、外科系病棟における勤務帯リーダー看護師のせん妄ケア実践能力に関わる記述内容を抽出し、コードとした。その結果、勤務帯リーダー看護師の回答からは497コード、看護管理者の回答からは59コード、専門看護師・認定看護師の回答からは4コードを抽出した(計560コード)。コードを概観したところ、「術後せん妄の予防および早期回復のために勤務帯メンバー看護師と協働する行動」、「術後患者の回復過程で起こりうる危険を予測し、率先して勤務帯メンバー看護師や看護管理者、医師、リハビリ職と連携を図りながら療養環境を調整する行動」などの行動に集約できるものと考えられた。質問紙調査を実施したことにより、アイテムプール(案)になりうる勤務帯リーダー看護師のせん妄ケア実践能力に関わる行動を数多く見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに研究を実施することができた。具体的には、臨床看護師を対象に質問紙調査を実施したことにより、アイテムプール(案)になりうる勤務帯リーダー看護師のせん妄ケア実践能力に関わる行動を数多く見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、質問紙調査で得られた知見、先行研究を踏まえて、アイテムプール(案)を作成する。その後、せん妄ケアの看護学研究者や術後せん妄のケア経験を有する看護師に意見聴取を行い、アイテムプールを作成する。その後、せん妄ケアの看護学研究者や術後せん妄のケア経験を有する看護師を対象に内容妥当性の検討のための調査を実施し、尺度原案を作成する。尺度原案の作成後は、外科系病棟に所属する勤務帯リーダー看護師を対象としたパイロットスタデイを実施する。
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Causes of Carryover |
2022年度の質問紙調査では、回収数を150名分ほど予定していたが、実際には70名程度となった。その結果、データ入力に係わる支出が当初の予定よりも低くなった。 2023年度は、専門家会議や質問紙調査を予定しているたため、質問紙調査の調査項目の選定に関わる文献購入、質問紙調査のための文具、郵送代に加えて、会議費や質問紙調査のデータ入力(調査会社依頼)の支出が増加する可能性が考えられる。
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