2022 Fiscal Year Research-status Report
新興感染症対策に求められる保健所保健師のコンピテンシーモデルの開発
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21K17433
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
奥田 博子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (50294236)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保健師 / 新興感染症 / 役割 / 専門能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,新興感染症対策時に求められる自治体保健師の役割を解明し,保健師の立場や職位など,役割に応じた,必要な能力を解明しコンピテンシーモデルの開発を図ることである。 本年度は,初年度(2021年度)に実施した国内外の文献検討の成果をもとに,COVID-19対策に従事した自治体の保健師や,保健師との協働や連携に従事経験のある感染症のエキスパートを対象としたヒアリング調査を企画し,所属する研究機関の研究倫理審査委員会の承認を経て調査を開始し,インタビュー内容を質的に分析した。 また,長期化するCOVID-19対策における保健師の活動に関連する文献検討についてもあわせて実施した。 これらの結果から得られた本年度の研究成果は,関連する学術学会にて公表し,学会参加を通じてさらに専門家等との情報共有や意見の反映についても検討を図った。 一方,インタビュー調査は,新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大,及び社会活動制限の長期化により,最前線で対策に従事する本研究対象者の保健師や感染症専門家への研究への協力依頼は限定的とならざるを得なかったためさらなる調査が必要な段階にある。 そのため3年目にあたる2023年度は,地域や立場の異なる保健師及び,多様な立場・職種の感染症専門家へのヒアリング調査を追加実施する。その結果からコンピテンシーモデルの案を作成し,量的調査および感染症専門家の見解を経て,モデルの開発をめざす予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大,及び社会活動制限の長期化により,本調査の協力対象者は最前線で対策に従事しており,研究協力依頼に配慮が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,多様な立場の保健師,及び感染症エキスパートの追加のインタビュー調査を行い,その結果からコンピテンシーモデル(案)を構築し,量的調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は,初年度に引き続き,ヒアリング調査を中心に実施する計画であった。しかし国内における新型コロナウイルス感染症の対策が継続し,また国内外の社会活動の抑制により,参加予定学会においても変更が生じたため,調査や旅費にかかる経費が抑制された。国内外の感染症の影響による抑制が徐々に緩和されているため,遅れている調査の実施,調査に係る旅費,関連学会での発表や専門家の助言,論文投稿のための経費などで使用する予定である。
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