2021 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用した女性の尿失禁予防におけるセルフケアプログラムの開発
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21K17447
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
西村 和美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (20535033)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 尿失禁予防 / 生活習慣 / セルフケア支援 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は研究の目的である尿失禁と生活習慣およびセルフケア能力の関連に関する実態調査を行ううえでの基礎研究として、システマティックレビュー(以下SR)を行うための準備に取り組んだ。システマティックレビューを実施する前に、Joanna Briggs Institute(JBI)のComprehensive Systematic Review Training Program(CSRTP)のセミナーに参加し、SRとは何か、量的SR、質的SRについて知識や方法を学んだ。そこで、女性の尿失禁と生活習慣およびセルフケア能力の関連に関する文献を検索した。国内外も含めて、どのような先行研究が行われているのか、エビデンスレベルについて把握するために、コクラン・ライブラリーにて女性の尿失禁と生活習慣に関して文献レビューを行った。国内では女性の尿失禁について女性下部尿路症状診療ガイドライン(第2版)では、生活指導(lifestyle interventions)の中で体重増加、BMIと尿失禁との関係については多数の報告があり、食事と運動療法による体重減少により、対照に比べて有意に尿失禁が減少する(推奨グレードA)との報告があり、海外の文献においても体重減少への介入は多くあった。身体活動については適度な運動は尿失禁発生のリスクを減少させることが示唆されるが、エビデンスは十分ではないとの報告があった。その他、禁煙や飲水制限(アルコール,炭酸飲料を含む)、便秘の改善は尿失禁のリスクになりうることが報告されているが、有効性についてのエビデンスはない。今回文献レビューで明らかになったことを今後は尿失禁に対する生活指導の効果を明らかにするために、システマティックレビュー(スコーピングレビュー)を行った結果のエビデンスレベルを考慮し、第1段階の実態調査および第2段階の介入研究につなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度はシステマティックレビューの準備に時間を要し、尿失禁と生活習慣およびセルフケア能力の関連に関するシステマティックレビューについて分析および論文作成までに至らなかった。現在システマティックレビューに関する論文投稿に向けて準備中である。 達成度としてはやや遅れているが、プログラム開発に向けて令和4年度計画的に取り組んでいける内容であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は尿失禁と生活習慣およびセルフケア能力の関連に関する実態調査を行ううえでの基礎研究として、システマティックレビュー(以下SR)に取り組むことができる。今後はSRの結果を用いたエビデンスレベルを考慮したセルフケアプログラムを構築することができると考える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、SRに関する研修がオンラインでの研修となり、研修参加のための旅費が不要となったため、次年度に繰り越すことになった。
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