2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of resistance training and anti-inflammatory mechanism on cachexia of lung adenocarcinoma
Project/Area Number |
21K17450
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Research Institution | R Professional University of Rehabilitation |
Principal Investigator |
巻 直樹 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90813642)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺腺癌悪液質 / 呼吸リハビリテーション / 全身持久力トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小動物の肺腺癌悪液質による骨格筋萎縮の炎症性評価に対し、形態学的手法を用いて解析した。国内のがん死亡で最も頻度の高い肺がんの中で、最多の肺腺癌の抗炎症性機序については不明な点が多く、基礎研究の見解は得られていない。全身持久力トレーニング介入が癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮をどのように抑制するか、その運動効果と抗炎症性評価を行った。本研究はBALB/cAJcl-nu/nu 系マウスを実験動物とし、ヒト由来A549 株細胞の経気道的同所移植法による実験的肺腺癌悪液質モデルマウスを作成した。本実験は、コントロール群、非運動肺腺癌悪液質群、運動肺腺癌悪液質群の3群(各群N=6)に分けた。評価項目は体重、骨格筋(ヒラメ筋)筋湿重量、血液検査データ、血清中サイトカイン濃度(TNF-α・IL-6)とし、運動介入は自発走行運動による持久力トレーニングを実施。ヒト由来A549 株細胞移植に伴う、非運動肺腺癌悪液質群の体重および骨格筋重量はコントロール群と比較して有意に低下した。一方で運動肺腺癌悪液質群は非運動肺腺癌悪液質群と比較して有意に骨格筋重量が高値を示し、血清TNF-α、IL-6は低値を示した。全身持久力運動介入を実施することで、癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮を抑制し、有酸素運動が骨格筋における量的変化の改善に貢献した可能性が示唆された。全身持久力運動介入による有酸素運動が、骨格筋における抗炎症作用と、量的変化の改善に寄与した可能性が示唆された。 肺腺癌悪液質に対し、運動介入することで骨格筋委縮の抑制から、今後臨床研究を経て、患者に対しADL・QOLが向上する可能性を検討する必要性があると考える。
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