2021 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患の動的肺過膨張に対する呼吸筋ストレッチの効果
Project/Area Number |
21K17453
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
川内 翔平 健康科学大学, 健康科学部, 助教 (80827965)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 動的肺過膨張 / 呼吸困難感 / 呼吸筋ストレッチ / 呼吸リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:以下COPD)では疾患の特徴である呼気の制限によって,空気を吐ききる前に次の呼吸が開始されることで肺に空気がトラップされ,労作時の呼吸数増加に伴い肺が過膨張する.これを動的肺過膨張と呼び,COPDの呼吸困難感の要因とされている.さらに慢性的な動的肺過膨張によって呼吸時における胸郭の可動性が低下すると報告されている.胸郭の可動性低下や安静時の肺過膨張に対しては呼吸筋ストレッチが有効とされているが,動的肺過膨張や動的肺過膨張に伴う胸郭可動性低下に対する呼吸筋ストレッチの効果は明らかになっていない.そのため,動的肺過膨張および動的肺過膨張に伴う胸郭の可動性低下に対する呼吸筋ストレッチの効果を明らかにすることを本研究の目的とし研究を開始した.外来COPD患者を対象とし,気管支拡張薬治療のみを行うコントロール群と気管支拡張薬治療に加えて呼吸筋ストレッチを行う介入群に対象者を無作為に割り付け動的肺過膨張や呼吸困難感の改善度を比較する.呼吸筋ストレッチの具体的な内容は毎日自宅で行う本邦で開発された呼吸筋ストレッチおよび週2回のセラピストによる徒手的な呼吸筋ストレッチであり,介入期間は4週間とする. 令和3年度中は本研究に必要な機器の準備および研究協力施設との調整を実施したが,新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため,外来リハビリテーションや対面での診察の自粛傾向によって研究協力施設での外来COPD患者の募集ができなかった. したがって,令和4年度には新型コロナウイルス感染症の感染拡大時にも安定して研究が行えるように,感染予防策を図ったうえでの訪問での検査測定,遠隔指導を含む自宅での呼吸筋ストレッチの実施を検討し,研究の完了を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度中は本研究に必要な機器の準備および研究協力施設との調整を実施した.しかし,新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため,外来リハビリテーションや対面での診察の自粛傾向によって研究協力施設での外来COPD患者の募集ができなかった.また,当該研究協力施設が県外であり,感染拡大状況によっては県外から訪問することが困難であったため予定より大幅に遅れてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,所属先の近隣の施設で対象者の募集が行えるように新たな研究協力施設と調整中である.また,令和4年度には新型コロナウイルス感染症の感染拡大時に伴い外来通院や外来リハビリテーションが縮小された状況下であっても,対象者の組み入れや介入が実施できるように,感染予防策を図ったうえでの対象者宅を訪問しての検査測定,ビデオ通話や電話を用いた遠隔指導を含む自宅での呼吸筋ストレッチ介入を検討し,対象者の募集及び研究の完了を目指す.
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Causes of Carryover |
令和3年度は新型コロナウイルス感染症の拡大状況によって研究協力施設での対象者の募集をはじめ検査測定・介入が実施できなかったため,研究協力施設への訪問に係る旅費や検査測定・介入に伴う人件費が使用できず次年度に繰り越した.令和4年度に予定している対象者宅を訪問しての検査測定のための人件費および物品購入費やビデオ通話や電話を用いた遠隔指導のためのオンライン会議システムの費用に使用したい.
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