2023 Fiscal Year Research-status Report
後期高齢者に対する座位行動から低強度活動への置き換えプログラムの作成と効果検証
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21K17463
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
今井 あい子 名古屋女子大学, 医療科学部, 講師 (40610514)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 座位行動 / 後期高齢者 / 置き換えプログラム / 低強度身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
座位行動とは「エネルギー消費量が1.5METs以下の全ての覚醒行動」と定義され,高齢者を対象としたコホート研究では,座位行動の長さが,フレイルや抑うつの発生に関連する可能性が示唆されている.そこで,本研究では,座位行動から他の身体活動への置き換えプログラムに着目する. 先行研究では,「Isotemporal Substitution モデル」という統計手法を用いて,座位行動を他の身体活動に置き換えた場合の効果について報告されている.高齢者を対象とした研究では,30分間の座位行動を低強度の身体活動に置き換えることで,心身両面への効果が期待できることが報告されている.しかし,これらの結果を介入研究によって実証した例はない.そこで,本研究では,「座位行動から低強度PAへの置き換えプログラムの作成」と「介入研究による効果検証」を行い,要介護認定率の高まる後期高齢者に対する実用的かつ有効な健康維持・改善方法を提案する. 2022年度は,「座位行動から低強度身体活動への置き換えプログラム」を作成し,当プログラムを用いたパイロット研究(4週)を行なった.研究対象者は6名(男性2名,女性4名)である.その結果,全ての対象者で30分以上の座位時間が減少し,低強度身体活動の時間が増加した.しかし,効果指標とした筋力(チェアスタンド,アームカール),全身持久性(6分間歩行テスト),歩行能力(5m歩行テスト),抑うつ(GDS-15)等に有意な変化は認められなかった.2023年度は,2022年度のパイロット研究を踏まえ,プログラムの修正を行った. 研究実績では,これまで実施した余暇活動と抑うつとの関連をまとめ,2022年度には「18 st World Federation of Occupational therapists」,2023年度には「9th The Asian Conference for Frailty and Sarcopenia」にて研究発表をした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022度年は,座位行動から低強度身体活動への置き換えプログラムを作成し,パイロット研究を実施することができた.2023年度は,2022年度のパイロット研究を踏まえて介入プログラムを再作成し,そのプログラムを用いて介入研究を実施する予定であったが,プログラムの再作成に時間を要したため,介入研究が行えなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に介入プログラムを再作成した.2024年度には,パイロット研究を実施したA市,研究協力の許可をいただいているB市にて,対象者数を増やし12週間の介入研究を実施する予定である.研究対象者が後期高齢者であるため,COVID-19の感染防止策を講じて,対象者募集や研究説明会は小規模で数回に分けて実施する.
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Causes of Carryover |
2023年度は,2022年度のパイロット研究を踏まえて介入プログラムを再作成し,そのプログラムを用いて介入研究を実施する予定であったが,プログラムの再作成に時間を要したため,介入研究が行えなかった.そのため,介入研究で使用する予定であった人件費・謝金等を使用することがなく次年度使用額が生じた.
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