2021 Fiscal Year Research-status Report
Clarify the optimal environment for ACL regeneration by investigating about crosstalk between cells and 4-dimensional analysis.
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21K17472
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
谷間 桃子 (長井) 京都大学, 医学研究科, 助教 (50755676)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 形態変化 / 機能変化 / ラット |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は膝前十字靭帯（ACL）部分断裂後の靭帯再生促進を目的に、再生組織の治癒メカニズムと十字靭帯成熟に最適な組織環境を、従来の二次元的な解析に換えて運動力学的要素を加味した四次元解析手法を用いて明らかにすることを目的として実施されている。ヒトでの観察が困難なためラット膝関節を対象に行われる。解析対象は①ACL発達過程個体、②ACL成熟個体、③p-ACLT（post ACL transection）モデルを用いることで、正常と損傷下における十字靭帯再生関連因子の違いを明らかにする。本年度はその中でも①、③について重点的に実施した。
①について、十字靭帯とともに膝関節の安定性に寄与する大腿半月靭帯（MFL）について解析を行い発達過程の形態変化を捉えた。MFLについてはE16（胎生16日目）では構造が不明瞭だが、E20にかけて構造が明瞭化し、水平線を基準とした付着角度と長さが直線的に増加することが明らかになった。十字靭帯の解析は現在進行中である。
③について、正常と損傷下における十字靭帯再生関連因子の違いを明らかにするために、組織学的な変化だけではなく、治癒過程に及ぼすとされるメカニカルストレス因子に大きく関与する歩行の変化について解析を行った。
今後４次元的に解析を行うためには、組織学的解析を行った切片を連続して作成しスキャンする過程が必要となるが、連続切片スキャンについては他研究室の協力を仰ぎ機器を貸与していただけることになり、胎生期ラット下肢の一般染色（HE）後の切片のスキャンまで実施できた。今後は免疫組織化学染色を行うための抗体の準備およびin situ hybridization法を実施する際のプローブ作成と染色条件検討を実施していく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の解析対象である、３項目①ACL発達過程個体、②ACL成熟個体、③p-ACLTモデルの中で、本年度は①・③の２項目について着手できた点は概ね順調と考える。③についてはラット歩行解析装置（キネマトレーサー）を用いてACLTとACLTによる脛骨引き出し制動介入を行った群（CAM）、コントロール群をもちいてその歩様を３次元的に比較解析したところ、コントロールに比べACLT,CAM群では膝関節可動域低下、隣接関節代償動作の増加がみられた。しかしACLT、CAM間で差は見られなかった。今後さらに詳細な解析を行いより詳細に２群間の差を明らかにする予定である。またその実験で採集した膝サンプルについて現在組織学的解析を行っている。
今後４次元的に解析を行うためには、組織学的解析を行った切片を連続して作成しスキャンする過程が必要となるが、連続切片スキャンについては他研究室の協力を仰ぎ機器を貸与していただけることになった。そのご協力もあり、胎生期ラット下肢の一般染色（HE）後の切片のスキャンまで実施できたため、４次元解析の足がかりもできたと考える。
初年度は形態構造・運動機能に着目した解析手法が主であり、今後は組織学的・in vitroでの解析を行うための準備が必要となる。また本研究は幅広い解析手法を用いるため、解析をおこなうまでと解析環境が整うまでに準備期間を多く要する研究である。現時点ではin vitroおよび遺伝学的解析に関する準備がほかの解析よりも遅れている点が懸念点ではあるが、次年度はこれらの準備も進行しながら、初年度に取得したサンプルの解析を進めることは可能と考えている。もし特定の解析に時間を要する際は優先順位を決め、解析方法の取捨選択を行うことも検討したい。
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| Strategy for Future Research Activity |
①について、現状はMFLに焦点を当てているが、膝関節構成体全体の画像および十字靭帯の三次元再構成像も作成しているため、その画像を用いて構造的変化について検討を実施する。
②、③について、成熟ラットの膝組織は、動作機能解析（ラット歩行解析）の際に摘出したサンプルがあるため、それらを用いて組織学的解析を進める予定である。それらのサンプルの薄切・染色作業を行っていくために、マンパワーが必要であるため適宜、技術補佐員の雇用も検討している。また、染色については免疫組織化学染色を行うための抗体の準備およびin situ hybridization法を実施する際のプローブ作成が必要となる。ターゲットとするタンパク・DNAは決まっているため、それらをもとに購入と染色条件検討を実施していく。
解析手法に関して、今後４次元的に解析を行うためには、組織学的解析を行った切片を連続して作成しスキャンする過程が必要となる。連続切片スキャンについては他研究室の協力を仰ぎ機器を貸与していただけることになり、胎生期ラット下肢の一般染色（HE）後の切片のスキャンまで実施できた。スキャン画像の今後は３次元画像の再構築と、免疫組織化学染色の実施が課題となる。
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