2021 Fiscal Year Research-status Report
認知課題による二重課題干渉の抑制効果は二重課題全般に及ぶのか
Project/Area Number |
21K17475
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Research Institution | Tsukuba International University |
Principal Investigator |
木村 剛英 つくば国際大学, 医療保健学部, 助教 (60636520)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二重課題 / 二重課題干渉 / 認知課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
二つの課題を同時に行うと、一方、もしくは両方の課題成績が低下する。この現象は二重課題干渉と呼ばれ、転倒や交通事故の一因になることが知られている。我々はこれまで、特定の認知課題 (Nバック課題) で二重課題干渉が抑制できることを報告した。そこで、本研究ではこれまでの研究成果の臨床還元を念頭におき、Nバック課題がどのような要素を含む二重課題に対して、特に抑制効果を示すのか明らかにすることを目的とした。 研究対象者は健康な若年成人21名とした。二重課題には、膝の伸展課題と暗算課題を組み合わせた二重課題を用いた。なお、膝の伸展課題に操作を加えて、注意機能をより必要とする膝の伸展課題と、記憶機能をより必要とする膝の伸展課題の2種類を作成し、合計2つの二重課題を作成した。また、Nバック課題のコントロール条件として、単純反応課題を採用した。Nバック課題、もしくは、単純反応課題の実施前後に2種類の二重課題と二重課題を構成する各課題を行い、二重課題干渉への影響を評価した。 実験の結果、記憶機能をより必要とする二重課題に対してNバック課題は抑制効果を示した。本研究よりNバック課題の適応となる二重課題の特徴の一部が明らかとなった。今後は、本研究で検討した要素以外の要素を検討するとともに、Nバック課題の効果的な実施方法 (実施時間や難易度) や、Nバック課題よりも抑制効果に優れる認知課題の探索、といった研究を展開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響を危惧し、かなり早い段階から実験を開始した。そのため、途中で実験が中断することもあったが、概ね順調に実験は遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って実験の遂行、論文の執筆を進める。研究対象者のリクルートも問題なく進んでおり、現時点で計画の変更はない。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で海外学会への参加が全てweb開催となった。その結果、もともと計上していた海外出張旅費が余る形となった。 翌年度の使用計画としては、残る実験計画を遂行するための実験機材の購入にあてる予定である。
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