2021 Fiscal Year Research-status Report
The study of Training Method for Acquisition of Writing Ability in Non-dominant Hand
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21K17494
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
鈴木 由美 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10847198)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 利き手交換 / 筆圧 / 眼球運動 / 運筆速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究の柱となる利き手交換時の効果の評価をいかに行うかを、眼球運動(BeGaze:SMI)、運筆速度・筆圧の変化(Tracecoder)と文字の形態(OCR文字認識ソフト 読んでココ:エプソン)の側面から検討した。研究計画に則り2名の研究協力者により、予備実験を実施した。一方は紙面上で、もう一方は木版での非利き手でのトレース練習を行い、1週間に1度ずつ4回10㎝の線引き評価文字(あ・コ・上・下・A・H等、全35文字)を筆圧計上で書き測定した。 10㎝の線引き課題では、筆圧計上で右方向から左へ、左方向から右へ利き手・非利き手でそれぞれ20回ずつ書いてもらい、運筆速度・筆圧の変化・眼球運動の推移を観察した。 この課題で顕著だったのは、利き手・非利き手の動作間で大きく異なるのは眼球運動であり、利き手の眼球運動は複数回の計測でも一定であるが、非利き手のそれは計測ごとに変化した。特に利き手の眼球運動は運筆速度が増加する直前に目標先をとらえていた。しかし、練習の回数を重ねるごとに、非利き手の運筆時の眼球運動は利き手のそれと似た運動が観察されている。 これと相まって、利き手の筆圧の変化は運筆終了時に一瞬筆圧が高まりしっかりと止めることができるが、非利き手の筆圧は運筆終了時に高まることがない。運筆の速度を落とすことで筆圧を下げ、運筆を止める様子が観察されている。 文字の形状は文字認識数で非利き手でのトレース練習が進むにつれて向上しているが、利き手・非利き手とも1度認識された文字を再度書いてみても認識されなかったり、再現性が低いことが課題として残っている。OCR文字認識ソフトでの評価を継続するか否か、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来の実施計画であれば本実験に入っている予定であったが、機材調達の遅れ(予定していた機材の販売停止による代替え機の選定・コロナ禍での調達・メンテナンス遅れ)、および対面での実験の遅れにより予定の1/4程度の進捗状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
運筆の基本となる線引き課題において、眼球運動と運筆速度・筆圧の、利き手、非利き手比較検討が不十分であることがわかった。非利き手での練習効果がどの時点で出てくるかは不明である。運筆の変化で示されている最後の「留め」の部分は、書字のスキルとしては重要な部分であるため、この点に着目して研究を進めていきたい。 利き手の線引き課題での眼球運動はこの「留め」の部分を追視することはほとんどない。一方、非利き手の線引き課題では最後まで追視することが多い。この違いをもとに、非利き手に対する訓練方法を検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた機器(筆圧計)の購入が困難(生産中止)となり、代替え機器の購入となった。代替え機器の性能を補う機器と解析に用いるパーソナルコンピュータ―2台を購入予定である。
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Research Products
(2 results)