2021 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中後Pusher現象の姿勢制御異常に対する電気刺激の効果および情動特性の検証
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21K17499
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤野 雄次 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (00847155)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Pusher現象 / 筋電図 / 低周波 / 脳波 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳卒中後に非麻痺側上下肢で自ら床面や座面を押し付け、姿勢バランスを悪化させるPusher現象の治療基盤の確立を目的に、座位姿勢保持時のPusher現象の筋電図学的特性と低周波刺激による姿勢バランス障害の改善効果を検証することを目的とした。さらに、Pusher現象における情動的負荷は姿勢バランスにおける重要な関心領域であるが、Pusher現象を合併する脳卒中患者の情動面を客観的に調査した報告はなく、脳波による情動特性を検証することを目的とした。 本研究における運動療法の選定にむけ、脳卒中例に対して動的座位練習や高次脳機能改善にむけた治療を試み、有効性を検証した。その結果、Pusher現象に対しては動的支持機構付き立位バランス機器が短期的に大きくPusher現象および座位バランスを改善させることが示された。また、Pusher現象例は半側空間無視を合併することが多く、受動的注意機能が障害された半側空間無視に対し、レーザーポインターを用いた注意喚起トレーニングの有効性が明らかになった。発症早期の脳卒中例では、非麻痺側に傾斜した床面上での非麻痺側への立位重心移動トレーニングが側方バランス能力や歩行機能の改善に寄与することが示された。以上から、Pusher現象に対する低周波刺激と併用する運動療法の構築に寄与すると考えられた。 2021年度は、本研究の遂行に必要な筋電図の選定と、本研究の実験系に必要なポータブル脳波計のアルゴリズムを検証してきた。2022年度から機器のデモならびに導入を進め、臨床データの収集を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響から脳卒中例に対する計測機器のデモが困難となり、使用機器の導入が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度から筋電図計測と低周波治療を行い、その特性を検証する予定である。同時に、脳波計測のアルゴリズムを実証し、データ集積を進めていく。
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Causes of Carryover |
筋電図計測機器の選定を進めていたが、COVID-19の影響から脳卒中例へのデモが困難となった。今後、脳卒中例へのデモおよび購入を進める予定である。
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