2023 Fiscal Year Research-status Report
Early rehabilitation in colon cancer aged 65years and older with oxaliplatin-induced peripheral neuropathy.
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21K17505
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
宮田 知恵子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医長 (20410102)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 化学療法誘発性末梢神経障害 / 高齢がん患者 / 運動機能障害 / フレイル / 外来通院化学療法 / 運動療法 / リハビリテーション治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学療法誘発性末梢神経障害は、しびれや感覚鈍麻、運動麻痺などにより患者の日常生活活動や生活の質に負の影響を及ぼすことが知られているが、現時点において治療方法は確立されておらず臨床上の問題となっている。また、高齢の場合は、非がん性の運動器疾患の併存や、加齢に伴う生理機能の低下などにより要介護状態に陥りやすい状態(=フレイル)にあるため、身体機能維持に関する支援の必要性が高い。 本研究では、高齢大腸がん患者において末梢神経障害の発現率が高いオキサリプラチンを用いた化学療法を実施する際、治療開始早期より在宅を基盤とした運動療法を行うことで、活動性を維持し治療完遂率の改善と生活の質の向上を図ることを目的としている。 本研究は、(1)在宅を基盤とした運動療法の忍容性・安全性の検証、(2)在宅を基盤とした運動療法の早期介入の有効性の検証の2段階で構成されており、2021年度より忍容性・安全性に関する取組みを開始した。しかし、研究立案時点では入院下で導入されることが多かった初回化学療法が外来通院にて導入されるケースが増加したため、2022年度に現状に合わせて対象ならびに初回運動療法の場の変更を行い、倫理審査の承認を得たうえで研究協力者の登録を進めている。また、疾患や年齢、原因薬剤の種類により、忍容性に違いが生じるか、あるいは、訓練開始タイミングにより忍容性や安全性に差が生じるかを検討するため、本研究の副次研究として、年齢および化学療法誘発性末梢神経障害の原因薬剤を限定せず、化学療法誘発性末梢神経障害を生じた外来通院がん患者を対象とした在宅を基盤とした運動療法の忍容性・安全性の検証を目的とした前向き観察研究を立案し、取り組みを開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究立案時点においては、初回化学療法は入院下にて実施することが大半であったため運動療法プログラムも入院中に開始すると設定していた。しかし、本研究開始後、初回化学療法も入院ではなく外来通院にて導入するケースが増加したため研究対象者が減少した。したがって、外来通院にて初回化学療法を導入した場合にも研究対象となるよう研究計画を変更し、倫理審査委員会に変更申請を行い承認を得た。現在、入院・外来を問わずオキサリプラチンベースの化学療法が導入される高齢がん患者を対象として研究を遂行中であるが、研究対象となる患者が少なく研究協力者の登録が滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
各診療科担当医だけでなく、抗がん剤を調剤する薬剤部とも連携して本研究の対象となる患者を拾い上げ、引き続き研究協力者登録を進めていく。 また、本研究の副次研究は、研究協力者登録数が目標症例数に達したため解析結果を取りまとめ発表予定としている。
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Causes of Carryover |
研究が遅延しているため、研究のデータ入力・解析、研究成果を発表するための英文校正費・学会参加費・旅費などが次年度に繰り上がった。また、COVID-19感染症に伴う活動自粛の影響もあるためか、高齢がん患者の身体機能がさらに低下している傾向がみられるため、個別運動プログラムとして、椅子座位で可能な運動機器を用いることが適当と考える。したがって、これらに関して、次年度使用額を用いて準備し、実施する計画である。
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