2021 Fiscal Year Research-status Report
疲労の観点からみたメンタルプラクティスの効果的な負荷量決定に向けた多面的検討
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21K17513
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中島 輝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (90897349)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メンタルプラクティス / 疲労 / TMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は効果的なメンタルプラクティス(Mental Practice; MP)の負荷量決定に向け,MPに伴い出現する疲労が皮質脊髄路の興奮性や運動課題遂行能力の向上に及ぼす影響を,経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation; TMS)による運動誘発電位(Motor Evoked Potential; MEP)やVisual Analogue Scale (VAS),ピンチ力,視覚追従課題を用いて多面的に検討することを目的としていた. 実験1(MP中に出現する疲労に関する神経生理学的検討)では24名の被験者を対象に運動イメージトレーニング群(motor imagery training group; MI群)と身体練習トレーニング群(physical practice training group;PP群)にそれぞれ12名に分け,1セット20回の合計10セット200回のトレーニングを行い,検証を実施した.その結果,PP群だけではなく,MI群でも200回のトレーニング後に皮質脊髄路の興奮性の低下を認めた.VASを用いて評価した主観的な筋疲労や精神的疲労も両群共にトレーニング後に疲労感の増強が認められた.視覚追従課題を用いて実施したパフォーマンスの検討では,疲労がパフォーマンスの向上に影響を与えたと推察したが,この結果を解釈する為には、200回のトレーニング後の学習能力のプラトーやタスクの上限効果などのいくつかの要因を考慮する必要があり,今後はその点を考慮した検討を計画していく必要があると考える. 現在は上記の実験の結果を踏まえ,論文の執筆を行い,論文投稿を行っている段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定を変更し実験を1つ追加して研究を行っている.本年度は予定通り,追加実験(実験1)を終了し論文投稿まで進めることが出来ている為に現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては,現在投稿中の論文(実験1)の掲載に加え,予定通り次の実験2(MPの負荷量の違いが脳卒中上肢機能に与えるMPの効果の検討)を開始して行きたいと考える.しかしながら,その為には実験1で判明した学習効果のプラトーや課題の上限効果が生じないパフォーマンス課題の再検討が必要である.本年度の上半期までにはパフォーマンス課題の作成を行い,新型コロナウイルスの状況を踏まえながら計画的に実験を進めて行くことが出来る様に調整を行い,本年度中に実験2の論文執筆を目指していく.
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Causes of Carryover |
研究計画の修正に伴い,実験を追加しデータ収集等に時間を要したことや新型コロナウイルス感染症の影響により学会がオンラインでの開催となったことで大きな実支出額が少なくなり,次年度使用額が生じた.次年度はオンラインでの国際学会への参加に加え,論文投稿や研究の充足に向けた新たな機器の購入も予定している.
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Research Products
(2 results)