2022 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法による多発性筋炎の軽減に対するオートファジー関連タンパクの役割
Project/Area Number |
21K17515
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
檜森 弘一 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 研究員 (70896571)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多発性筋炎 / オートファジー基質 / 持久性運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は、定期的な運動によるオートファジー基質の活性化は、骨格筋のNrf2の核内移行の促進と抗酸化物質の増加を誘導することで多発性筋炎による筋力低下を抑制すると仮説を立て、これを立証することである。令和4年度は、筋特異的オートファジー基質欠損マウスに運動トレーニングを負荷し、運動による多発性筋炎の軽減に対するオートファジー基質の役割を検証することが目的であった。まずC57BL/6Jマウスにミオシンタンパクで免疫することで実験的自己免疫性筋炎(EAM)を誘導し、4週間の自発性走行運動を負荷した。その結果、自発性走行運動はEAMマウスの骨格筋におけるオートファジー基質の活性化(リン酸化の増大)を誘導し、持久性運動能力を改善したが、筋量や筋力を改善しなかった。したがって、自発性走行運動よるオートファジー基質の活性化は筋量や筋力の改善に寄与しない可能性が高い。次に筋特異的にオートファジー基質の発現量を欠損したマウス(ノックアウトマウス)と野生型マウスにEAMを誘導した上で、4週間の自発性走行運動を負荷した。その結果、ノックアウトマウスでは、野生型マウスと同様に持久性運動能力の改善が観察され、その程度に遺伝子型による差異は認められなかった。これらの結果から、運動はEAMマウスの持久性運動能力を改善するが、そのメカニズムにオートファジー基質の活性化は関与しないことが示唆された。
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