2022 Fiscal Year Research-status Report
脳腫瘍のリハビリテーション確立に向けた術後機能予後及びQOL規定要因の解明
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21K17526
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平野 潤 千葉大学, 医学部附属病院, 技術職員 (10816151)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 機能予後 / リハビリテーション / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに脳腫瘍患者80名前後の手術前・術後1-2週・術後半年-1年後の身体機能・高次脳機能のデータを収集・解析した。身体機能に関しては,運動麻痺・上肢機能・感覚機能・筋緊張・バランス機能について、それぞれで用いた評価バッテリーの検査結果を解析した。また高次脳機能評価は,Mini-Mental State Examination等の複合的認知機能検査や前頭葉機能検査、注意機能検査の結果を中心に解析した。ADL評価に関しては,Functional Independence Measure及びBarthel Indexの変化を解析し、QOL評価は,The European Organization for Research and Treatment of CancerのQLQ-C30とBN20の変化を解析した.その結果,術後一時的な症状の悪化を認めるものの大部分は半年後以降になると術前の身体機能・高次脳機能の状態まで改善を認めていた.しかし,一部の症例においては,術後半年-1年経過後も麻痺や感覚障害,視空間認知障害,注意機能障害等の障害が残存していた.そのため,それらの障害と病変摘出部位との関連について解析を進めている.また,2022年以降の症例に関しては,ADL・QOLとの関連についても解析を進めている.研究報告については、現在までに得られた新しい知見について学会発表を行い、論文についても投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,診療制限や手術中止・延期があり,当初予定されていた症例数よりも少なくデータ収集・解析が遅れている.そのため,「遅れている」と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,引き続きデータ収集・解析を継続し,身体機能・高次脳機能の機能予後とADL・QOLとの関連を明らかにする.最終年度となるため,これまでの研究結果について,関連学会での発表や論文発表を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で研究計画の進捗が遅れており、学会参加や発表の機会も当初の予定より少なくなったため、予定の金額と差異が生じ た。次年度は、データ解析に必要な機器の導入や学会参加,論文作成などに使用する予定である
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