2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a unified feeding instruction program for early intervention for children with severe mental and physical disabilities
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21K17536
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
元開 早絵 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60792877)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 重症心身障害児 / 摂食嚥下 / 在宅診療 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は引き続き、歯科訪問診療にて摂食機能療法を行った重症心身障害児の全身状況、粗大運動能と摂食嚥下機能の発達変化の関連の検討を行った。 対象は令和3年4月1日から令和5年9月30日までに、歯科訪問診療にて受診した患者20名中、1年間歯科訪問診療を継続した3歳以下の13名とし、方法は主治医からの診療情報提供書及び診療録より全身状況、医療的ケアの状況、粗大運動能、摂食嚥下機能発達段階等を抽出、1年経過後の発達変化を比較した。 年齢は、中央値が1.0歳、原疾患は染色体異常が半数を占めた。13名すべてで呼吸および栄養管理において何らかの医療的ケアを必要とした。粗大運動能は定頸に達しているものは4名だった。摂食機能獲得不全段階は、経口摂取準備不全6名、嚥下機能獲得不全4名、捕食機能獲得不全2名、押しつぶし機能獲得不全1名であった。 初診時と1年経過時では、呼吸管理、栄養ルート、粗大運動においていずれも有意な変化は見られなかった。嚥下機能については、嚥下機能不全段階、経口摂取状況において有意な差がみられた。また、日中の呼吸器の使用状況についても、使用状況別に比較したところ、有意な差が認められた。有意差がみられた嚥下機能発達と関連をする項目に関して、日中の呼吸器の使用状況が軽度に改善しているものが多い傾向がみられた。 本調査の設定期間においては対象の多くが定頸獲得に至らず、重症心身障害児の成長発達を観察していくに当たり、十分な介入期間が必要とされた。対して摂食嚥下機能においては、粗大運動発達段階に関わらず、摂食機能療法の関わりの中で食品を使用しての訓練を開始・継続することが出来た。今回、嚥下機能の改善した者に日中の呼吸器使用状況が改善している傾向がみられたことより、経口摂取の取り組みにおいて呼吸器使用や呼吸状態を十分考慮することの重要性がうかがわれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象となる重症心身障害児の抽出が研究計画立案当初より進まず、対象者が得にくいこと、またそれに伴い、患児を取り巻く連携職種とのかかわり、情報収集が進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに採取した対象者の紹介元、連携機関に対して、摂食機能療法開始決定に関連する情報収集を目的としたアンケート調査を早急に開始し、それと並行して、これまでの研究結果、現在の当科での摂食嚥下機能の精密検査及び指導内容について、関連職種対象の研修会・情報交換会を実施し、連携機関との統合的な摂食嚥下リハビリテーションプログラムの構築を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度までに実施予定であったアンケート調査及び、その結果の解析、その後の関連職種・連携施設との情報交換会などの計画が後ろ倒しとなっており、当初予定していた支出が行われなかった。また延長後の最終年度には得られた結果を学術大会での発表及び論文化しての公表を予定しているため、アンケート作製費用、郵送代、論文投稿費用等に使用を予定している。
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