2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K17538
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Research Institution | Aichi Mizuho College |
Principal Investigator |
山崎 一徳 愛知みずほ大学, 人間科学部, 講師 (30733399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アイトラッキング / 発達障害 / 視覚機能 / 段差歩行 / 静止立位 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、発達障害児の歩行における視覚機能の働きを明らかにするために、ゴーグル型アイトラッキング機器、ならびに自作の段差歩行路を用いて、健常児と発達障害児の3次元歩行解析中の視線の動きの計測を実施してきた。新型コロナウイルス感染症予防のため、計画通り臨床試験の実施ができずデータ取得が遅れていたが、2022年度は研究計画を見直して、新たに愛知県三河青い鳥医療療育センター倫理員会の承認を得て数十名のデータを集めることができた。本研究課題の期間延長申請も済ませており、2023年度で計画通りのデータを集める見込みを立てることができた。 目の前にある段差歩行路を昇って降りる歩行動作において、視覚情報による予測が重要であると仮説を立て、昇段前、昇段中、昇段後(降段前)、降段中、降段後の5区間に分けて、Tobii Proグラス3を用いた注視点のX-Y座標の時系列データから各指標を算出している。研究協力者の協力も得ながら実施しており、解析途中ではあるが、健常児と発達障害児の視線の動きが異なることを明らかにできつつあり、延長申請をした2023年もデータを集めることで、研究課題を達成できると考える。 また、2022年度から現場ニーズを基に実施している静止立位中の視覚の働きの解明についても、発達障害児をターゲットにして制作した視覚提示課題を用いた重心動揺計測を実施している。重心動揺計測はフォースプレートを用いたXY平面のCOP(Center Of Pressure)から各指標を算出している。こちらのデータも解析途中であるが、注視点を固定させた場合と移動させた場合とでCOPが変化することを確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、新型コロナウイルス感染症予防のため臨床試験の実施が困難であったが、研究計画を見直した2022年度は遅れを取り戻していきている。当初の計画内容を完遂するため本研究課題の期間延長申請も済ませた。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長申請をした2023年度は、データ取得の遅れを取り戻すべく、健常児ならびに発達障害児を対象とした臨床試験を遂行する。段差歩行、静止立位などの指定した動作中に、眼鏡型のアイトラッキング装置(Tobii Proグラス3)から収集される視線計測データ、動作中の運動計測データ(VICON、重心動揺計)から得られる評価指標を用いて、視覚の働きを明らかにする。
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Causes of Carryover |
2022年度に当初の研究計画を変更して研究の遅れを取り戻している最中であり、2023年度まで延長繰り越しさせていただくことで当初の研究目的を達成することが出来る。使用額は臨床試験で使用する筆記具として計上する予定である。
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