2021 Fiscal Year Research-status Report
呼吸筋サルコペニアにおける呼吸筋持久力に着目した新たな評価指標の開発
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21K17540
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
氏川 拓也 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (90781667)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸筋持久力 / 持続最大吸気圧 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、漸増式呼吸持久力テスト(the Test of Incremental Respiratory Endurance:TIRE)を用いて、呼吸筋持久力の新しい評価指標であるSustained Maximal Inspiratory Pressure(持続最大吸気圧)の測定再現性を検証すること、基準値を算出すること、サルコペニア発症の評価指標としての有用性を検討すること、サルコペニア発症のカットオフ値を算出することで、広く利用することのできる評価指標として確立し、呼吸筋サルコペニアの新たな評価指標を開発することを目的として実施している。 当該年度では、健常成人を対象として持続最大吸気圧の測定の再現性を検証した。その結果、持続最大吸気圧の測定値における級内相関係数の95%信頼区間は下限値が0.8以上と再現性は高く、系統誤差も存在しないことが明らかとなった。また、呼吸筋力評価においては2回のうちの最大値を採用する米国胸部疾患学会/欧州呼吸器学会の示す方法が多く用いられているが、本研究で用いている呼吸筋持久力である持続最大吸気圧の測定においても、2回の測定を行い最大値を採用する方法の妥当性が示唆された。さらに、測定値の差が大きい場合の再測定の基準についても、持続最大吸気圧を用いた基準を設定することができた。この方法を用いて、年齢や性別による差を考慮して、年齢層と性別毎に健常成人における持続最大吸気圧の基準値を算出し、またサルコペニア発症の評価指標としての有用性検証とカットオフ値の算出を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から、臨床研究を十分に進めることができていない。しかしながら、再現性検証に関するデータ収集は行えたため、これから学会での成果発表、論文投稿を進めていくところである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度(2022年度)には、学園・大学内、地域高齢者を対象にデータ収集を行う。また、これまでの成果を学術大会にて発表、論文投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度に学術大会にて成果発表を予定していたが、令和4年度に成果発表をすることになったため、次年度使用額が生じている。次年度以降の使用計画については、成果発表と論文投稿、測定会開催に関する費用、被験者への謝礼金等に使用する予定である。
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