2021 Fiscal Year Research-status Report
筋肉痛と動脈硬化度の増加を防ぐレジスタンス運動プログラムの開発
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21K17552
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
橋本 佑斗 日本体育大学, 体育学部, 助教 (00896871)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈 / レジスタンス運動 / 伸張性運動 / 繰り返し効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、筋肉痛と動脈スティフネスの増大を抑制するのレジスタンス運動プログラムの開発を目的として研究を開始した。レジスタンスは筋力の向上を目的とした運動様式として広く普及しており、特に伸張性筋収縮を中心としたレジスタンス運動は筋力向上や代謝機能の改善といった運動効果が高い運動様式である。しかし、運動後に著しい筋損傷(筋肉痛等)や心血管疾患の危険因子である動脈スティフネス増大を引き起こす。一方、伸張性運動は繰り返し行うことで筋損傷を抑制する「繰り返し効果」と呼ばれる生理学的適応が報告されている。2021年度は研究課題Ⅰとして、この「繰り返し効果」が高強度伸張性レジスタンス運動後の動脈スティフネス増大の増大に及ぼす影響について検討した。その結果、1回目の運動では筋肉痛や筋力低下といった筋損傷に加え動脈スティフネス増大が見られたが、2回目の運動では筋損傷の抑制に加えて動脈スティフネス増大は認められなかった。また、1回目の運動後に惹起された動脈スティフネス増大は筋損傷や炎症反応と関連性が認められたが、2回目の運動後は関連性が消失した。したがって、伸張性レジスタンス運動の「繰り返し効果」は筋損傷と共に動脈スティフネス増大を抑制することが明らかとなった。一方、通常の「繰り返し効果」では1回目の伸張性レジスタンス運動後に筋損傷と動脈スティフネス増大が惹起されるため、身体への負荷が大きい。研究課題Ⅱでは計画通りより身体への負荷の低い手法で同様の効果が得られるか検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症により中断するケースもあったが、計画は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題Ⅰの結果を基に、研究課題Ⅱを遂行する。研究課題Ⅱの実験プロトコル及び実験手技については確立しているものの、研究課題Ⅰ終了後に動脈スティフネスを測定する機器が故障したため、代替指標での研究遂行を予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症に関連して実験を中断するケースがあり、その分の被験者へ支払う予定であった謝金や使用予定の消耗品に余剰が生まれた。2022年度分と合わせ引き続き謝金および消耗品の購入費用に充てる予定である。
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