2021 Fiscal Year Research-status Report
熱中症予防に向けた新しい深部体温計測方法としての臍部温度の評価
Project/Area Number |
21K17554
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
丸井 朱里 早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (50824554)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 深部体温 / 臍部温度 / 熱中症 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱中症の予防には、深部体温の常時計測により、深部体温の上昇を検知する必要がある。代表的な深部体温の計測部位として直腸があるが、侵襲性や違和感が問題となっており、暑熱環境下での労働・運動時には広く用いられていない。直腸以外の深部体温の連続計測方法として、耳装着型の鼓膜温度計や、飲み込み型の体温計も見られるが、センサ周囲環境による測定値の精度低下が問題となっている。 代表者は、新しい深部体温測定部位として臍部に着目した。臍部は、周囲に大きな神経や骨がないため侵襲性が低く、体液を分泌しないため周囲環境の影響が少ないと考えられる。安静時、運動時、体型差を考慮した際の臍部温度と、直腸温度とを比較することで、将来的に、熱中症予防に向けた新たな深部体温計測部位を確立することを目指す。 当初の予定では、男性被験者を対象として、環境温度をコントロール可能な実験室にて行う予定であったが、COVID-19の影響により被験者の自宅でも実施可能な計画に変更して実施した。本年度はまず、安静状態の臍部温度について検証することを目的として実験を実施した。女性被験者を対象に、約1ヶ月間、毎朝起床時に舌下温度と臍部温度を測定した。舌下温度と臍部温度の相関を分析したところ、有意な正の相関が認められた。また、女性においては女性ホルモンの影響により、起床時の舌下体温が低温期と高温期の2相性を示すが、臍部温度も舌下温度と同様に2相性の温度変化を示すことが明らかとなった。本実験については論文を投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19により、感染対策の観点から、実験室における実験が行えなかったため、自宅での実験計画に切り替えて実施した。また研究代表者の産後休暇による研究中断期間があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに取得したデータを解析することにより、論文発表を行う。また、COVID-19の感染状況を鑑みながら、当初の計画に沿って実験を実施することを目指す。
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Causes of Carryover |
COVID-19による計画変更により、購入予定であった物品費や旅費等を計上しなかったため。次年度以降、学会参加に伴う旅費や、物品購入を行う。
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