2022 Fiscal Year Research-status Report
膝ACL再建術後に再断裂予防リハを実施した者の片脚着地動作の経時的な変化の解明
Project/Area Number |
21K17562
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大見 頼一 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00885569)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膝前十字靭帯再建術 / 予防 / 着地動作 / 床反力 / 再断裂予防リハビリ / 非対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝前十字靭帯(ACL)損傷はスポーツの怪我の中でも最も重篤な怪我であり、再建術を受けるとスポーツ復帰まで6ヵ月以上かかる怪我である。ACL再建術を受けてスポーツ復帰した後に再建した靭帯損傷が約10%発生しており、大きな課題である。このような再建靭帯損傷を予防するために、健常選手に対して有効であった予防トレーニングを導入した再建靭帯損傷を予防するリハビリプロトコルを開発した。本研究では、膝ACL再建術を受けてこの予防リハビリプロトコルを実施してスポーツ復帰する人を対象に、手術を受けた脚と健常な脚のジャンプ着地動作、膝筋力や股関節外転筋筋力、心理的な評価、ホップテストを縦断的に測定し、それを比較することによって、このリハビリプロトコルの有用性を検証することを目的としている。初年度は新しい測定機器での測定に想定以上の課題があり、健常者で繰り返し予備実験を実施し、その結果、課題を克服した。2022年度は研究計画通り、ACL再建術を受けスポーツ復帰を目標とする者を対象に測定を実施し、現在、術前、術後6ヵ月、スポーツ復帰時の3回の測定を9名(男性5名、女性4名)実施した。9名の測定データでは、膝筋力、股関節筋力とも縦断的に増加しており、スポーツ復帰時は膝伸展筋力が患健比で93%、膝屈曲筋力が97%、股関節外転筋力が106%に回復していた。また片脚着地動作での垂直方向最大床反力はこれまでの研究では患側が有意に低値とされているが、患健比で100%となっており良好に回復していることが示唆された。9名以外にも術前測定を実施した者や術前と術後6ヵ月まで測定出来ている者が複数名いて、初年度の遅れを徐々に取り戻せている。また測定した各種データで、データベースを作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に想定以上の課題があり、予備実験を繰り返したことによる遅れによって、やや遅れているという現況である。被験者を20名程度測定することを目標としているが、現在9名完了しており、徐々に遅れを取り戻している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在実施している測定を継続して被験者を増やしていくこと、着地の動作解析の実施、さらなるデータベースの作成を行う予定である。その後、統計解析などを実施し、学会発表することを計画している。
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Causes of Carryover |
コロナにより計画していた国際学会や国内学会参加が少なくなり、旅費が減少したことや、研究計画の遅延により、解析などに必要な人件費がまだ必要な段階には至っていないことが主な理由である。令和5年度は、動作解析に必要な機器の購入や学会参加に必要な旅費、解析に必要な人件費などを予算として計画している。
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