2021 Fiscal Year Research-status Report
拡張視野超音波画像による子どもの大腿部・体幹部・上腕部の骨格筋定量方法の確立
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21K17579
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
原村 未来 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 契約研究員 (10806285)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子ども / 骨格筋量 / MRI / 超音波画像 / 筋横断面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,(1)子どもにおけるEFOV法での上腕部・体幹部・大腿部の筋横断面積の測定値の再現性の検証を行ったうえで,(2)CSAEFOVとCSAMRIの測定値の妥当性の検証および筋体積の関連性に関する検証を実施し,EFOV法での子どもの筋横断面積の測定方法を確立することを目的とする. これまで,子どもの筋サイズの経年変化について報告した研究は,超音波画像診断装置で上肢および下肢の筋横断面積や筋厚などが報告されているが,生理学的筋横断面積(PCSA)の発育における変化を報告した研究はほとんどない.PCSAの算出は,MRIやCTといった医用画像法で得られた筋体積を,超音波法での測定で得られた筋束長で除すことで定量すること出来るが、それらの装置は高い分解能を有している一方,使用場所の制約がありフィールドワークには適していない.この欠点を解決する技術として,超音波画像診断装置に搭載されている拡張視野超音波画像法(EFOV法)がある.超音波画像診断装置は,測定場所の制約も少なく,学校現場等での筋厚の測定にも活用されている。 これまで、EFOV法用いて筋横断面積を定量した研究は,成人を対象とし,上腕部・体幹部・大腿部で検証され,MRIやCTで測定した筋横断面積と妥当性があることが報告されている.しかしながら,成人よりも形態的に小さい子どもの場合も同様の測定技術で測定が可能か,またゴールドスタンダードであるMRI法での筋横断面積の値と妥当性があるかについては不明である.特に,上腕部の周径囲は子どもの場合12cm以下と小さいため,正確に測定するためには成人とは異なる新しい測定手法の考案が必要である。 本研究において,EFOV法による子どもの筋横断面積の定量が可能と検証されれば,これまで報告数が少なかった子どもの生理学的筋横断面積の測定を、従来よりも簡易的に実施出来る可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画では、子どもにおけるEFOV法での上腕部・体幹部・大腿部の筋横断面積の測定値の再現性の検証について実施する予定であったが、研究の実施許可が降りるのに時間を要したこと、また新型コロナウイルス感染症の影響により対象者の確保が困難となったことから、年度内に実施することが出来なかった。そのため、本年度は被験者のリクルート先となる小・中学校へ研究実施の許可を得るための研究内容の説明と測定方法の確認に留まった。再現性の検証については、実験日程を再調整し、2022年度の9月まで完了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
再現性の検証については、実験日程を再調整し、2022年度の9月まで完了予定である。また、CSAEFOVとCSAMRIの測定値の妥当性の検証および筋体積の関連性については、2022年の10月より実施するように進めている。予算について、再現性の検証実施時に支払う子どもへの謝礼を計上していたが、実施出来ていないため、22年度実施の際に謝金等への人件費に使用予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度に開始する予定であった再現性の検証については、研究の実施許可が降りるのに時間を要したこと、また新型コロナウイルス感染症の影響により対象者の確保が困難となったことから、達成することが出来なかった。再現性の検証については、実験日程を再調整し、2022年度の9月までに完了する予定である。そのため、21年度に計上した人件費は22年度に使用予定である。
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